Judoと相撲。1

オリンピックが開幕し、話題を独占している。
中でも我々は期待感の高い競技を観たい傾向にあるために、
一般人でも知っているスターが居ない限り
日本人が強い種目に注目することになる。
水泳、レスリング、体操、そして柔道。
我々の認識の無い「ナントカジャパン」が乱立する中、
「ナントカジャパン」というギミックに頼らずとも
既に注目を集めている競技を我々が選択する
というのは合点がいく次第である。
ちなみに過去に栄光を極め、
近年低迷を続ける男女バレーボールについても
「ナントカジャパン」を名乗っているのは
実に皮肉なことだ。
閑話休題。


注目度が高い種目の中に、柔道が含まれている
というのが相撲ファンからすると非常に気になる点である。
ご存知の通り柔道は日本古来の武道で、
全国各地で数多くの道場を持ち、
老いも若きも数多く親しむことに大きな特色が有る。
戦後の日本では、野球、相撲、柔道が大変な人気を誇り、
テレビの普及と共にラグビー・ボクシングといった
競技も徐々に浸透することになった。
だが、東京オリンピックを境に
相撲と柔道は対照的な道を歩むことになる。
オリンピックの公式種目として認定され、
世界的な注目を集めると共に、
日本のローカルスポーツから
世界のメジャースポーツへと進化した柔道。
無差別級でヘーシンクに敗れることで
国際化の扉が開き、
それでも尚且つ長きに亘って世界のトップを
牽引し続け、世界中の柔道家の目標として
日本柔道は今も尚その地位を保ち続けている。
古き良き日本人の心意気と文化の匂いを残すことによって
絶大な人気を継続し、北の湖・千代の富士・若貴という
スーパースターの存在も競技の地位向上に
大きく貢献した。
歩んだ道は異なれど、競技の素晴らしさは
多くの人々の知るところであり、
日本に限って言えばスポーツとして
老若男女が等しく同じ目線で語れるのは
恐らくこの2種目だけであろう。
だが、この10年間で相撲と柔道を取り巻く環境ならびに
世の中の価値観は大きく変わった。
そしてそれが両種目の人気を大きく左右することになる。
続く。

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