大砂嵐新入幕。これまでの外国人力士に見られた不安要素を、彼は乗り越えられるのか?

新番付が先日発表された。
ここから数字は番付に関する話題を記事にしていきたい。
今回の番付で気になる点は幾つかある。
まずは大砂嵐の新入幕だ。
5月場所前に北の湖部屋に見学に行った際は
まだ幕下だった彼が、鳰の湖も北はり麿も、
幕内上位の北太樹まで圧倒する様に衝撃を受けた。
そんなわけで、このスピード出世も驚きではなく
来るべくして来た、と言うのが私の感想である。
3人の関取を圧倒する、アスリート能力の高さ。
この人は一体どこまで伸びるのだろうか?
そんな風に思いながら、北の湖部屋を後にしたのが半年前。
そして、今の私は同じ感想を抱きながら彼を見ている。
だが、当時と同じ懸念も私は抱いている。
それは何か。


一言で言うと「荒削り過ぎること」である。
彼は下の番付では圧倒的すぎるために、
荒削りでも勝ててしまった。
「勝ちに不思議の勝ちあり」という意味合いに近い、
「勝ててしまった」という現象なのである。
相撲の基礎を知らない状態で彼は今までやってきて、
そして2年近く勝利を積み重ねてきた。
基本的な取り口を覚えない状態で結果が出てしまうと、
不思議なことにその時の取り口から離れられなくなる。
特にそれはモンゴル人以外の外国人力士に多くみられる傾向で、
一度壁に当たった後、課題を克服できない状態が続いてしまうのだ。
番付を駆け上がった時期の印象が鮮烈なので
試練を乗り越えられるとつい思ってしまう。
だがこうした経緯を経てきているので、
課題を克服するという能力が養われていないためか
そこから先に進みにくいのである。
何とかしなくてはならない。
だが、やらなくてもそこそこ出来る。
そして、食える。
ある程度自己実現をしている中で次のレベルを目指すには、
人はどのように気持ちを保てば良いのか?
私が一サラリーマンとして似たような状況であるわけだが、
こうした状況に安住する人は非常に多いことは良く
やらなくても良い方に流れても私には責められない。
サラリーマンの世界でも、安住せずに日々研鑽している人間だけが
上に上がるのだ。
ましてや誰もが努力している相撲の世界だと
誰もが努力している中でのし上がっていかねばならない。
並の努力ではない。
質の高い努力が求められる。
そもそも私達が普段目にしている上位の力士というのは
そういう人間の集まりなのである。
同じような結果が出続けることを閉塞感として捉えるが、
閉塞感自体が弛まぬ努力の成果でもあることを
私達は覚えておきたい。
だが、それでも大砂嵐のような可能性有る力士には
閉塞感を破ることを期待してしまうのである。
そう。
底が見えないというのは、それだけで魅力なのだ。
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大砂嵐新入幕。これまでの外国人力士に見られた不安要素を、彼は乗り越えられるのか?” に対して2件のコメントがあります。

  1. なの。 より:

    把瑠都は大関にまでなりましたが、結局最後まで荒削りのままでしたね。
    「秀でたものは、合理化できない」という言葉があるそうですが、まさにそういう事なのかもしれません。

  2. TAMAGOYAKI より:

    荒削りは私は腰の未強化と思います。
    また無給から約100万の収入になるので多少気が緩むのでしょう。
    これは日本人外人問わずに言えるでしょう。たい方は相撲取りになる前に営林署でアルバイトをしてそれがkとy人な腰を作りましたから同じスピード出世ではないでしょう。出世の早い朝青龍、白鵬には玉の海(2)大鵬に通じます。入門以前に基礎ができていたのでしょう

    すお出世はその上り坂の時に怪我をして体制しませんでした。吉葉山・朝潮(4か5代目)・柏戸・豊山・琴桜・大麒麟・貴乃花(1)魁皇・若嶋津・北天佑・大乃国・小錦などです。
    営林署で気を切れとは言いませんが、交通機関が、歩くという基本を忘れさせ体ができていないまるでレスリングのグレコローマン・・・モンゴルもこのタイプですね。)を見ているかのような感じです。やはり手をつくというルールは腰を下ろすのみのっとった感じです。
    現代人に合った指導を考えたほうがいいと思います。
    人気も復活するでしょう。願ってます。

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