相撲協会の本気とほつれ。素晴らしいファンサービスといやげものの落差に衝撃を受ける。

大相撲初場所。
今場所も様々なドラマが生まれている。

稀勢の里の綱取りや遠藤の奮闘、そして逸ノ城の登場。
皆が思い思いのポイントを気にしながら、
国技館に足を運ぶ。

そんな中で大相撲協会は新規ファンの開拓と
既存ファンのリピート率向上を目指すべく
ファンサービスに注力している。

今回私は2日目に足を運んだ際、
一緒に行った方の購入されたチケットの関係で
多様なサービスを受けることになった。


まずは、親方との写真撮影。
何と、元栃東の玉ノ井親方との一枚である。

 

力士は尊敬の対象であり且つ
現役時代をよく知る私にとって
このサービスは有り難い反面で本当に恐縮してしまう。

列に並んでいる時はそこまででもなかったのだが
自分の番が近づくといきなり緊張し、
撮影の際はこの有様。

もう、どうしていいのかわからない。
結果、明後日の方向を向く私。

ひよの山とその相方が楽しげな雰囲気を作ってくれたのが
せめてもの救いである。

そして、和装デーといえば、手ぬぐい。
今回のデザインは立行司。
色々と意味が有るのだが、その解説は
大相撲協会の公式サイトをご確認いただければと思う。

 

立行司のアイテムを並べてみると、こんなに風流な作りになるのかと驚く。
何かに使うというよりは、観賞用として手元に置いておきたい。
それほど出来の良い逸品である。

そして、まだ有る。
ツイッターかLINEに登録していると、クリアファイルが貰えるのだ。

力士をあしらったクリアファイルだから、
正直なところセンスを間違えると、とてつもなく
カッコ悪いモノになる。

その懸念はかなり有ったのだが、
この点についてもキチンと対策を打ったようで、
人目に付いてもかなり使いやすい仕上がりになっている。

かなり多くの方に渡すものだから、
コアなファンだけでなく多様な方のセンスに寄せているのが嬉しい。
このような形で、大相撲協会はサービスの品質を上げて
我々を楽しませようと躍起になっている。

Ustreamのことなど、色々と言われているが、
この点については素晴らしいと私は思う。
だが、恐らく国技館で私だけが過剰に期待している
もてなしが有ることを古くからの読者の方はご存知のはずだ。

そう。
いやげもの、である。
国技館の売店では、おおよそ普通のセンスからは
かけ離れた逸品を販売していることが有る。
しかも、その数が実に多いのだ。

そのことに気付いた私は、みうらじゅん氏よろしく
身銭を切ってこのジャンルを開拓した。

過去2回無駄な買い物をした挙句、スポーツナビの
おススメエントリーに選ばれてしまい、
その存在が広く知られる結果となった。

そして今回もまた、いやげものが無いかを探してみると
やはり有った。
2作品をご覧いただきたい。

商品No.1:白鵬キャップ(3000円)

キャップに書かれた「白鵬」の2文字。

白鵬の名をキャップに記すというセンスがまず凄い。
かなり昔、「マルコムX」の映画が大ヒットした際に
DJ hondaキャップ宜しく「X」のキャップが同時に
流行したことが有ったが、

それと同じくらいの分からなさである。
白鵬という文字にデザイン性を求めなければならないのだが、
そこはきちんと明朝体で勝負。

明朝体にデザイン性を求めるとは、
まるでエヴァンゲリオンのようである。

そして注目してもらいたいのが、
この文字の控えめさ。

小さい。
とにかく小さいのだ。

遠目に何が書かれているか、全く分からない。
これでは折角アピールしたい白鵬の2文字も泣いている。

豊真将爪切りの豊真将も大分小さかったが、
もしかすると作り手サイドも
このセンスに怖気づいているのかもしれない。

商品No.2:鶴竜Tシャツ(1050円)


問答無用。
白鵬キャップが明朝体なら、
こちらは毛筆で勝負。

力強い鶴竜の2文字。 キャップの文字とは違って、抜群の存在感だ。

だが、この存在感が悲劇を招く。
黒地に金。
そう。
完全にヤンキーのセンスである。

相撲を観に来る客層ではないのだ。
彼らが果たして、鶴竜と毛筆で書かれたTシャツを買うだろうか?

恐らく、漢字を「Cool!」の一言で評価する
外国人をターゲットにしているのだろう。

ちなみにこのTシャツ、LとLLしかない。
ヒップホップスタイルで着ることが推奨のようである。
というわけで、このTシャツの正しい着こなし方を
実際にやってみた。

当然、白鵬キャップも着用の上、である。
…胸に光る鶴竜の存在感と、存在を消す白鵬の対比が凄い。
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相撲協会の本気とほつれ。素晴らしいファンサービスといやげものの落差に衝撃を受ける。” に対して6件のコメントがあります。

  1. ブリタニカ より:

    初めてコメントさせていただきます。
    春から大学生になる現在高校三年生です
    いつも楽しみにブログ拝見しています
    今回みたいなテレビではあまり触れられない部分のご紹介とても良かったと思います
    また、もっとマイナーな事紹介してください

  2. より:

    いつも楽しみに拝見しています。
    手ぬぐいの意匠、なかなかステキですね。
    しかし、軍配は式守与太夫さんが使っている3本のうちの1本、「月日の軍配」。図柄がわかりやすいから、ということからでしょうか。幕内格では所作が一番美しい行司さんだと感じています。
       

  3. muan より:

    過去のエントリーも併せて拝見しましたが、
    「いやげもの」なかなかのセンスの一品が揃ってますね。
    大相撲協会のボケ(!?)に対する筆者の突っ込み。
    ホントにうけました 笑
    来月、国技館に行くので、私も視察してみます。

  4. nihiljapk より:

    ブリタニカさん
    初めまして。大学進学おめでとうございます!
    基本的にマイナーかもしくはそれほど
    メディアで登場しない意見を出しているブログですので、
    今後も期待に応えられるように頑張ります!

  5. nihiljapk より:

    翔さん
    実は軍配が誰のどのものなのかを
    注目していなかったので、今回のコメントで
    初めて知った次第です。ありがとうございます!
    そういうことまで知るきっかけになるので、
    今回の試みってやはり有意義なんですよね。

  6. nihiljapk より:

    muanさん
    ありがとうございます!
    このテイストの記事は、実は一番得意なので
    日頃隠している要素を出すことが出来て
    私が一番うれしかったりします。笑
    是非いやげものを開拓してみてください!

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