吐合、デビュー。

学生横綱でありながら事もあろうに
高校横綱に連敗した吐合。
本来であれば高校横綱の澤井(豪栄道)を
賞賛する声で湧きかえるはずなのだが、
その澤井も全日本タイトルを取ることは無かった。


つまり、吐合が破れたのは澤井という怪物故である、
という悲劇のストーリーすらも成立しなかったのである。
単に実力が足りないための醜態であるという
レッテルを学生横綱故に張られた吐合。
確かに考えてみると、学生横綱でなければ
高校生に破れることもさほど話題にならなかった。
このことがセンセーショナルに取り上げられたのは、
実力者たる証明でもあるのだが、
そこで足を引っ張るのはやはり
珍名故の悲しさなのである。
というわけで前途に暗雲が立ち込める形となった吐合。
幕下付け出しデビューでの成績が気になるところだが、
4勝3敗と勝ち越す。
大相撲に適応できず、地位を下げる学生出身力士も
少なくない中で、上々の滑り出しと言えるだろう。
そして翌場所も4勝3敗で勝ち越し。
幕下5枚目に地位を上げ、いよいよ十両、
いよいよ本領発揮、と
吐合フリークは思っていた。
しかし、全日本選手権で味わったように、
吐合には思いも掛けない試練が与えられたのである。
続く。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)