日馬富士に見る、横綱昇進の基準の是非とは? 前篇

あと2日を残して、日馬富士が全勝である。
今場所の充実ぶりからすると、白鵬に1差を付けている
状況はかなり有利であり、今場所優勝する期待度は
相当高まってきている。
稀勢の里を寄せ付けない、昨日の相撲などは
これまでの日馬富士の取組を考えると
大変に充実しており、もはやネクストレベルとも言える
次元にまで到達しているようにも感じられる。
2場所連続優勝が意味するもの。
それは横綱昇進である。
朝青龍引退後、白鵬が一人で支えてきた大相撲の勢力図が
変わり、そして土俵が更に充実することも期待できる。
大変素晴らしいことなのだが、
その決定には不安が有る。
それは、何故か。


考えてほしいのだが、日馬富士の横綱昇進の
目的とは一体何か。
横綱を作ることではない。
そう。
横綱に値する力士に相応の地位を与えることである。
横綱に成れば、それだけの成果を求められる。
常に優勝争いに加わり、大関以下に負けることは許されない。
12勝3敗で合格点、11勝では物足りない、
ましてや10勝では批判される立場。
それが、横綱なのである。
期待に応えられない横綱は、容赦なく批判される。
批判だけならまだ良い。
結果が伴わない場所が続く、休場が続く、
こうなると批判だけではなく
引退という2文字が突き付けられる。
ご存知の通り横綱というのは降級が無い。
そのため、結果が伴わない場合は
逃げ道が引退しか存在しない。
だからこそ、短命横綱というのも多く存在している。
旭富士は9場所、花田勝氏こと3代目若乃花は11場所。
彼らは決して悪い力士ではない。
むしろ、大関としては相当優秀である。
それでも、横綱として要求に応えられなければ
2年も経たずに引退という決定を余儀なくされるのだ。
そう考えると、横綱昇進というのは大変責任有る決定なのであり、
極めて慎重に判断をしなくてはないのである。
現在のところ、
「2場所連続優勝、またはそれに準ずる成績を挙げた力士」
というのが目安とされているが、
私はこの基準こそが横綱昇進の是非を問うのに
ふさわしいとは思わない。
横綱は引退まで横綱たる成績を求められるにも関わらず、
審査の対象期間は2場所。
つまり、2か月でこの決定を下す必要が有るのだ。
この基準を他のスポーツに当てはめると、
野球であれば例えば元阪神の今岡やツインズの西岡、
サッカーであれば前園や大黒が
横綱昇進を期待される存在たりえるわけである。
ある程度安定した成績を残して大関クラスに昇進し、
短期間に光り輝くことで横綱に昇進する。
断っておくが、彼らは優秀である。
だが、安定して光り輝くことは出来なかった。
つまり、横綱としては足りないのである。
では、どのような基準が妥当なのか?
後篇に続く。
日馬富士に見る、横綱昇進の基準の是非とは? 後篇
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