AbemaTVに思う。大相撲にBGMは合わないのだろうか。

昨日私はAbemaTVの記事について紹介した。

新しい時代の新しい放送を。
そんな風に思っていた。

これからの時代、若いファンを作らねば先は無い。大相撲を支えてきたのは、他のスポーツと比べると圧倒的に高齢者である。そうでなくても年齢層は相当高い。私の世代はかなり若い部類なのだ。会場に足を運べばそのことがよく分かる。

新しいことをすることが、新しいファンを獲得する。今のやり方だけでは、若い世代を取り込むことは難しい。ならば、新しいファンに応えるやり方を考えるべきだ。

相撲雑誌である「相撲ファン」も、前に放送を担当していた「スポナビライブ」も、その問題意識を持ち、どう達成するかを考えていた。そして、攻めた企画を組んだ。

そしてAbemaTVも、攻めた。
視聴者が驚いたのは、BGMを入れたことだった。

だが、これは明確に不評だった。
賛否両論ではなく、不評だったのである。

現状として超えねばならない課題があることは分かる。だから、攻めた企画を私は前向きに捉えている。それは既存ファンも同じだ。

だが、新しいファンに寄せれば寄せるほど、私からは離れていくように感じるのだ。新しいファンに寄せながら、一方で私が満足することも求めているのである。理解をしようと寄っていくのではなく、新しい試みの方からこちらに寄ってくるようなことが必要なのだ。

CMが多いことでさえ、無料で見られるからと理解を示すのが大相撲ファンである。そういう質の高いファンが、BGMを拒否している。これは大きな問題だと思う。

ただ、音楽が相撲に合わない訳ではないことを私は知っている。騙されたと思ってテクノを掛けながら相撲を観てほしい。これが実に合うのだ。他の方にこの話をすると、四つ打ちが相撲に合うということを教えてくれた。

要するに、新しい試みが悪いのではない。
新しい試みがフィットするか、否か。
そういう類の話なのである。

新しくても、それが良いものであれば認めてくれるのが相撲ファンだと思う。何しろビデオ判定すら世界で初めて許容してしまうファンなのだ。良い試みはどんどんやればいい。

問題なのは、試みの質が低いこと。
これに尽きると思う。

そういえば白鵬杯でも、決勝戦でprideのテーマを流して雰囲気をぶち壊していたことを思い出した。BGMというアプローチは誰もが考えることなのだ。だが、相撲とマッチさせることが本当に難しい。ここからは、演出家の領域になると思う。

攻める姿勢が受け入れられなかった時、皆取る行動は同じだ。視聴者や購読者の大部分を締める、既存ファンに寄せていくことになるのである。こうなると後はこれまでのアプローチを続けるだけで、当初の目的はおざなりになってゆく。

だからこそ私は、相撲の新たな可能性を期待したい。

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