ビジネスジャーナルの『暴行発覚の貴ノ岩、引退が濃厚か…貴乃花部屋内で暴力蔓延の疑い』で、インタビューを受けました。

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ショックを受けないことに対するショック。

貴ノ岩の問題について、ビジネスジャーナルからインタビューを受けた。

記事はこちら。

1年前は暴力の被害者だった力士が、今度は加害者として報じられるという、衝撃的なニュースだ。

だが、衝撃の大きさとスキャンダラスさを考えても、このニュースはそれほど大きなものにはなっていない。確かに大きなニュースではある。相撲のスの字も報じないようなメディアがこの問題については取り上げている。

だが、もう大相撲の不祥事は飽きられている。

そういう世界であることを、世間は知ってしまっているのだ。

ここ1年、私は皮肉なことに不祥事で呼ばれるごとに実績を積み重ねていた。こんなニュースで出たくはない、そして相撲を愛する立場として是々非々を貫きたいと思いながら、言葉を選び、伝えてきた。

悪いことは悪い。

良いことは良い。

事実を整理しながら、感情的な部分にも応える。単なる正論で終わらぬようにと考えながらも、正論だけでは語れない感情の部分を語ろうと心掛けてきた。

ただ、今回は様子が違う。

そう。

それほどショックを受けていない自分が居たのだ。

変わらぬ協会、力士。変わりゆく世間と自分。

ショックすら受けぬ自分にショックを受けながら、騒ぎが想像以上に小さいために、かつてと比べるとそれほど仕事が来ないことにも衝撃を受けた。

報道の少なさから察するに、つまり世間は大相撲を見切っているのである。

常識を要求しても、仕方がない。

だって、大相撲だから。

口で「やります」と言っても、組織は変わらない。そして、すべての力士は変わらない。

私は知っている。

力士たちは変わろうとしていることを。

現場レベルで力士たちは数年前から本当に頑張っていると思う。不祥事を受けて信頼を回復するために、日々相撲とファンサービスに向き合い続けている。そういう努力が見えるからこそ、大相撲は人気を取り戻した。

しかし、それだけではダメなのだ。

誰かが問題を起こしたとしたら、それは誰かの問題ではとどまらない。組織の問題として見られることになる。

しかも、特定個人だけの問題ではない。この1年でどれだけの問題が起きたというのだろうか。もはや、大相撲や力士を擁護できない状況にあるのだ。

悔しいのは努力している力士達だろう。

だからこそ、私はこのインタビューに答えることにした。

そして、おそらく最も変わっていないのは、協会だ。

方針を打ち出すだけでは何も変わらない。言うだけではどうにもならない。それがどうして分からないのだろうか。必要なのは、具体的に何をするか。そしてその効果があるか、ということだ。

変わるということは、理解し、納得し、行動に移せるということだ。残念ながら、協会も力士もその次元にはない。

大相撲を愛する者しか支持できないのが、今の大相撲だ。ファンですら変わることはそれほど期待せず、でも相撲が始まれば楽しいから観ている。

こんなことでいいのだろうか。いいはずがない。期待せずに観る相撲は、いずれファンにすら見切られるのではないだろうか。

私は何を期待して取材を受けるのか。記事を認めるのか。それでも、私は私にできることを遂行するまでだと思う。

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