TBS「その他の人に会ってみた」の取材協力をしました。

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意外と知らない、力士のセカンドキャリアの割合

12月27日放送の、TBS「その他の人に会ってみた」という番組放送に先立ち、取材協力をさせていただいた。

私の役どころは、元力士のセカンドキャリアに関する統計。つまりは、だれがどんな仕事をしているか、集計して情報提供することだった。

スタッフの方から力士の引退後の仕事についてチャート化し、どんな職業がどれだけの割合いるかを知りたいと言われた瞬間、私は全く想像が付かなかった。

例えば、飲食はどれくらいいるだろう。

整体は?

普通のサラリーマンは?

格闘家は?

個別では知っているが、100人規模の母数で調べるとどんなことになるのか。偏りはあるのか。たぶん特定の職種に集中するのではないか?という漠然とした予測はあったが、ふたを開けてみると順当なものも有ればはっとさせられるようなものも有った。

私自身発見の多い依頼だったので、ぜひご覧いただきたい。

12月27日 23時40分からの放送である。

「その他の人に会ってみた」のウェブサイトはこちら。

相撲後の人生の難しさ

しかし集計を終えて改めて気づくのが、20代後半から30代前半に掛けて未経験で社会に出ることになることの厳しさだ。

私がよく言うのは、力士は人にできないことが出来る代わりに、皆が出来ることが出来ないことが多々あるということだ。

前者の良さを活かす前に、後者のリスクが先に立ち、どうしても仕事や社会になじめない。相撲の後の人生を歩めずに居る元力士も少なくない。

方法は二つあると思う。

一つは、社会が力士に寛容になること。そしてもう一つが、現役時代から相撲後の人生に適応しやすいように訓練することだ。残念ながら大相撲に対する世間の評価が地に落ちた今、もはや元力士が生きやすくなるには後者の選択肢しかないのではないか。

日本は、という言い方をしたくないし、今や世界的に人の粗をあげつらう傾向にあるのだが、どうしてもいい歳をしてえ?と思うようなことが出来ないとダメのレッテルを張られがちだ。そして、元力士であることも含めて揶揄されることになる。

ちょんまげを失うと、職務経験の無い大男になってしまう。だから引退をためらうという話を聞いたことがある。元力士が、相撲と出会ったからこそ第二の人生も幸せに、そして社会に貢献してほしいと願ってはいるが、現実は厳しい。

世間の常識が角界の非常識というのは未だにあることなので、まずはそうした歪みを無くしていくことが必要じゃないかと思う反面、角界の常識が力士のストイックさやおおらかさを生むのも事実だ。

力士として大きく育てるという観点と、相撲後にどう生きていくかという観点。この二つを両立させるために何を残し、何を捨てるのか。どうしてもセカンドキャリアの話になると大相撲の構造的な問題にどう向き合うかという話になるような気がする。

大相撲を選ぶのか。

公務員を選ぶのか。

今はそういう時代だ。リスクを取る覚悟が強くするということは重々承知しているが、リスクがあまりに大きすぎると割に合わないということも分かる。

次代の大相撲の担い手を少しでも獲得するためにも、セカンドキャリアもさることながらセカンドキャリアに繋がる人間育成もまは必要ではないかと私は思うのだ。

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