白鵬の同期の現在は?114力士の現状から、大相撲の厳しさを考える。

白鵬が横綱になり、平成の大横綱とまで呼ばれるに至った。
横綱というのは700人の中の頂点なのだが、
幕下を見ていれば入門した者の全てが
幸せになれるわけではないことは判っている。
一人前の力士として十両に昇進することを夢見て、
夢の呪いに取りつかれた結果、
諦めきれずに現役を続行する。
だが、十両以上の地位は、数に限りが有る。
その数およそ70名。
壁は想像以上に高い。
それだけではない。
今は外国人力士が大変多いので、
過去と比較してもその難易度は相対的に増している。
このような状況の中で、果たして
白鵬と同じ平成13年にデビューした力士達は
一体どのような結果に至ったのか。
114名の真実に迫った。


◇学歴比率について
中卒: 68名
高卒: 18名
大卒: 8名
外国人:20名
これはあくまでも11年前のものである。
今は中卒力士の比率がかなり減っている。
また既に外国人力士が広まっていることも有り、
外国人の入門者数も減っているだろう。
とはいえ、大卒力士と外国人力士の
十両以上の割合が多い現実を考慮すると、
退路を断った者の強さということも言えるかもしれない。
そして、大卒についてはベースの強固さ、
外国人についてはアスリート的能力の高さが
その地位を築くに至らせたのだろう。
また、中卒高卒であれば、早く諦めるという選択肢も有る。
こうした背景が入門者数を多くしていると思われる。
◇現役力士について
現役力士は20名。75,4パーセントである。
想像以上に多い。
入門から12年余り経過して、既に一人前であれば
現役なのは判るのだが、
下位の番付で相撲を取り続けている力士が
思ったよりも多いことに驚かされた。
特に、三段目や序二段の中卒力士が多く、
彼等は現在27歳といったところである。
最高位が幕下という力士が半数以上であり、
諦められないのか、それとも相撲しかないのか、
いずれにしてもいつ決断するか、という
段階に来ていることは間違いない。
ちなみに2年以内で引退している力士は39.5%、
5年以内での引退は57.0%。
望みが無いと考えると、次の道を探すという傾向に有るらしい。
幕下以下の主な現役力士:
鰤の里・豊後錦・大勝道・木瀬錦・霧丸・旭鵬山
◇十両以上を経験した力士について
十両以上の力士については12名、
10,5パーセントが一人前になった。
だが、これは国籍を問わない場合であり、
日本人に限定するとその数何と、4名。
更に付け加えると、4名の中でも大卒力士は3名。
中卒と高卒はほぼ討ち死にという有様であった。
中卒・高卒での入門に関するアドバンテージは
これまでもかなり語ってきたことではあるが、
ゼロか100かという要素もかなり強いだけに、
この年は大物を育成出来なかった、ということなのだろう。
主な力士:
垣添・剣武・華王錦(大卒)・北勝国
白鵬・猛虎浪・千昇・翔天狼・黒海・日馬富士・隆の山・鶴竜
このリサーチを進めて、中卒・高卒での入門は、
やはりリスクを伴うものであり、
大きな果実を得る者も居れば、
自らに見切りを付けて別の道を早い段階で
模索する者が大多数であることも判った。
外国人力士の比率はこれからも変わらないのだから、
日本人力士にとっては厳しい状況が続くだろう。
だからこそ学歴無き場合は早い見切りを、
大卒の場合は学歴という逃げ道と
相撲のベースを用意しておくことが重要なのだ。
いつ入門するにしても、大相撲に身を置くことは
リスクを伴うのだ。
リスクの大きさが人を育て、そして
魅力的な相撲を見せることにも繋がる。
白鵬の見せる輝きは、コントラストとして
挫折した者の影を際立たせる。
今回の調査をそれを思い知らされる結果となった。

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