Numberwebに「貴景勝が戦うのは白鵬か、10代か。相撲界で中卒入門がトレンドに?」という記事を寄稿しました。

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勢いでなく、実力で大関を勝ち取った貴景勝

Numberwebに「貴景勝が戦うのは白鵬か、10代か。相撲界で中卒入門がトレンドに?」という記事を寄稿した。

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正直なところ、今場所の序盤戦を観る限りでは貴景勝はかなり厳しい状況だと感じていた。それは、上位陣がいずれも実力を発揮できるコンディションであることが分かったからだ。

そして、貴景勝の強いところは突き押し相撲であるにもかかわらず、成績に波があまり無いところなのだが、今場所に関してはそれが逆に作用する恐れがあると感じていた。波が無いということは言い換えると、実力以上の力を発揮しづらいということである。

大関獲りも綱獲りも然りだが、いずれもかなり高いハードルが設けられている。大関や横綱を守る実力はあっても、大関や横綱を獲る実力というのはまた別物ではないかと思うことがある。たとえ強い大関でも横綱でも、この基準を上回るのはかなり難しいことなのだ。

だからこそ、勢いの力が必要になる。
だが、貴景勝は勢いに頼れるタイプではない。

とすると、貴景勝は勢いではなく実力で掴みに行かねばならない。これがどれだけ大変なことか。22歳の若者が、頼れるものは自分だけという状況で、しかも今場所で逃してしまうと2場所前の13勝が消えてしまう。もしかするとここで大関が獲れないとなると向こう数年チャンスが巡ってこないかもしれない。そういう困難な状況だったのである。

だからこそ、この10番は想像以上に重みがあるのだ。
貴景勝は、自分の実力で大関を手繰り寄せたのである。

となると焦点になってくるのが、更に実力を付けた時に貴景勝の時代がやってくるのではないか?ということである。

時代の担い手は、まだ上位に居ないという仮説。

考えて欲しい。

上位が30代ばかりということは、彼らが実力をキープする可能性と貴景勝の伸びしろを考えれば当然後者が上回ると想像するのは自然なことだ。そして、貴景勝の近くの世代には大関獲り、綱とりの可能性を現時点で見せている力士が大変少ない。どう考えても貴景勝が時代の担い手になる状況が整っているのである。

だからこそ、目を向けるべきは次世代なのだ。

時代の転換点が生まれた時、恐らく上位の席はかなり空くことになる。恐らくそれは、上位陣の年齢を考えると2年後ではないかと思う。

2年後に勢いがある力士が誰かを考えた時、現在幕内に居る力士がその対象になることも勿論想像できる。だが、2年前の貴景勝や逸ノ城のことを考えると、2年で力士は全くの別物になる。その時までに力を蓄え、怪我を避け、上位で闘える力士は、実は下位に居るのではないかと私は考えた。

そして番付に目をやると、実は中卒高卒叩き上げが想像以上のスピードで伸びてきていることに気づいた。彼らの質は、この20年くらいの間では随一だ。数字に目を向けても、裏付けまで出てきた。

願望も少なからずある。
だが、願望だけではなく、確たる証拠もあるし、素材も居る。

貴景勝だけが背負う大相撲にはなってほしくないし、現在の下位の力士が担ってほしいという想いもある。当然、今上位に居て、殻を破ろうとしている力士にも。

貴景勝に、続け。
千載一遇のチャンスは、もうすぐやってくる。

お知らせ

1.4月13日18時30分より、大阪なんばカルチャービルでトークライブを開催します。今回は初の大阪開催となります。今まで足を運べなかった方も、ぜひお越しいただければと思います。テーマは「相撲とデータ」。これまでのトークライブの資料を基に、大相撲が抱える問題やそれにどう立ち向かっていくか、お話できればと思います。ライブの詳細と予約サイトはこちら。

2.4月06日18時00分より、錦糸町すみだ産業会館でトークライブを開催します。東京では10回目の開催となります。皆さまいつもありがとうございます。テーマは「力士と怪我」。ゲストとして現役力士の担当整体師の方をお招きし、医療の実態についてお話を伺います。ライブの詳細と予約サイトはこちら。

3.Instagramサイトをリニューアルしました。大相撲がある日常というテーマで写真を掲載しておりますので、ぜひご覧ください。Instagramサイトはこちら。

 

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