幕下の番人・潮光山の引退に見る、幕下相撲の圧倒的現実。前編

初場所が終わった。
横綱日馬富士の優勝や
高見盛の引退、大鵬の逝去と話題に事欠かない
場所だったのだが、共通して言えるのは
新たな時代が到来している、ということである。
絶対王者としての白鵬に対して
遂に対等な存在としてのし上がった日馬富士は
2横綱が切磋琢磨する新時代に移行したと言えるし、
大鵬の死は相撲が絶対的な価値を持っていた時代の
決定的な終焉を感じさせた。
社会的にも相撲的にも新時代の到来を
感じさせる出来事の数々。
そして、幕下にも新時代を象徴する事態が発生していた。
そう。
潮光山の引退である。


潮光山と言われても、相撲に興味がない人は勿論のこと
相撲ファンですらピンとこないのではないかと思う。
端的に言うと、幕下の上位に定着していた番人的な力士が
30歳という年齢を境に一区切りを付けたということなのだが、
単なる幕下力士が引退するのとは重みが異なる。
幕下には大きく分けて30~60枚目、10~30枚目、
そして一桁番付という3種類に大きく分類できると
思っているのだが、
潮光山は10~30枚目という印象が強い。
十両には届かないが、その一歩手前で定着している
実力派力士。
総合力は有るが、十両昇進するような力士には及ばない。
しかし、若手有望株に対しては経験に裏打ちされた
引き出しの多さで退ける、幕下の番人。
吐合や潮光山、勝誠や前田などが
この役割を担っていたわけだが、
彼らには共通点が有る。
続く。

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