鶴竜・稀勢の里・琴奨菊・琴欧州に残された、横綱昇進へのタイムリミットはあと何年?

歴代大関ランキングを作ってみて感じたのが、
大関としての旬は、大抵の場合長くて2年というところ。
ここで言う旬というのは、毎場所のように
優勝を争える状態のことを指す。
例えば、朝潮や魁傑のように1場所優秀な成績を残す
というのは体調と状況が整えば可能なのことなのだが
継続するとなるとそうはいかない。
各力士へのコメントからも分かるように、
多くの力士の旬は昇進直後、ないしは
昇進から3年後である。
昇進直後は体調も良く、それに見合った相撲スタイルが
確立されていることから、好成績を挙げやすい。
対して、3年後から全盛期を迎える力士の場合は
1~2年目に実力を付ける・ないしは怪我に泣いた
影響によって活躍がやや遅れている。
さて、ここで気になるのが、
「横綱昇進へのタイムリミット」
である。


力士としての旬はこのような傾向が有る中で
歴代横綱達は一体どのように昇進しているのだろうか?
過去の横綱についてまずは、大関昇進から横綱昇進までに
掛かった場所数を測定した。
◆データ1:
歴代横綱が大関昇進から横綱昇進までに掛かった場所数
※朝潮以降
名前 所要場所
日富士 22
白 鵬 7
朝青龍 3
武蔵丸 32
若花3 29
貴乃花 11
 曙  4
旭富士 17
大乃国 13
北勝海 5
双羽黒 4
隆の里 9
千富士 3
三重海 21
若花2 8
北の湖 3
輪 島 4
琴 櫻 32
北富士 21
玉の海 20
佐田山 17
栃ノ海 10
大 鵬 5
柏 戸 7
朝 潮 11
感覚的に大関昇進後に勢いで横綱まで駆け上がった力士が
多いと感じていたのだが、それを立証するデータが出てきた。
2年以内の昇進が60%、3年以内は72%、
4年以内だとなんと88%。
言い換えると、大関在位が長引くと
横綱昇進は極めて難しくなると言わざるを得ない。
さて、ここで別のデータを提示したいと思う。
年齢による旬が有る可能性を想定し、
今度は初土俵から横綱昇進までに掛かった場所数を
算出したいと思う。
◆データ2:
歴代横綱が初土俵から横綱昇進までに掛かった場所数
※朝潮以降
名前 所要場所
日富士 69
白 鵬 37
朝青龍 24
武蔵丸 58
若花3 61
貴乃花 40
 曙  29
旭富士 57
大乃国 57
北勝海 49
双羽黒 44
隆の里 90
千富士 65
三重海 95
若花2 59
北の湖 45
輪 島 21
琴 櫻 84
北富士 76
玉の海 65
佐田山 51
栃ノ海 46
大 鵬 28
柏 戸 36
朝 潮 41
学歴による差異は有るものの、概ね初土俵から10年が
一つの目安となることが分かる。
ちなみに50場所以内での昇進は48%、60場所だと68%、
70場所だと84%という結果になった。
さて、ここで気になるのが現在の大関陣に
これを当てはめるとどうなるか?
ということである。
彼らに残されたタイムリミットは如何なるものか?
◆データ3:
現在の大関の大関昇進から既に経過した場所数+
初土俵から経過した場所数
初土俵 大関昇進
鶴 竜 67 6
稀勢里 65 8
琴奨菊 66 9
琴欧州 61 43
※参考
把瑠都 52 17
かなり危険な数字が出てきた。
初土俵当観点だともう残された時間は全員あと1年、
大関昇進からの経過で言うと最近昇進した3力士は
あと3年がタイムリミットである。
現在の大関に残されたリミット…という書き方はしたものの、
恐らく誰もが気になるのは稀勢の里だろう。
もう若くないし、現在の形で相撲を取っていると
横綱昇進どころか大きな怪我をしてしまうことが懸念される。
先の記事にも有ったように、大関として下降線を辿る
大きな理由は怪我なのである。
怪我をしないためにも相手力士の研究が必要だし、
何よりも怪我をしないための体づくりが必要である。
データによれば息の長い大関になるということは、
晩年クンロクを何とか保つ力士に変貌する
ことを意味する。
シビアに見ればあと1年、
ポジティブに見ればあと3年が勝負なのだ。
頼む、何とかしてくれ。
いや、何とかしてください。

鶴竜・稀勢の里・琴奨菊・琴欧州に残された、横綱昇進へのタイムリミットはあと何年?” に対して1件のコメントがあります。

  1. 碧海 より:

    それ以前に鶴竜、稀勢の里、琴奨菊に関しては
    「横綱を目指すには大関昇進が遅すぎる」
    んじゃないのか?と思います。
    彼らは59場所、57場所、57場所で大関昇進してますが、
    横綱になった人は26人中22人(84%)が
    54場所(9年)で大関に昇進しています。
    そこまでに大関になれなかった時点ではなっから
    「大関止まり、横綱になる見込みはない」
    と考えるのが自然かと思われます。
    ここからの横綱昇進をリミット1年とか言い出すのは
    「隆の里の奇跡」を待つようなものです。
    琴欧州は大関昇進後の場所数がアウト。
    把瑠都がここから全勝優勝したころの能力に戻ってもう一度大関に復帰して初めて「横綱までリミット1年」って所でしょう。

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