相撲マイナー国出身力士を追え!part3 フィリピン・ブラジル・韓国・香港編

今回、モンゴルやアメリカといった相撲メジャーでない
相撲マイナー国の過去の力士について振り返る。
第二回でも相撲では大成しなかったものの
WWFで活躍したトンガ人のことを知るきっかけも出来た。
さて、今回はどのような力士と出会うのだろうか。
では今日はフィリピンから。


◆フィリピン:
過去に在籍した力士:3名 主な力士
 玉比洋(最高位:序二段 129)
高安と舛ノ山。
二人の共通点は、ルーツにフィリピンが有るということ。
ただ、彼らの国籍は日本だし、舛ノ山は
中学時代にフィリピンでの滞在経験も有るが、
人生の殆どの時間を日本で過ごしている。
そういえばボクシングのパッキャオは
フィリピン人だし、ジャイアンツのリンスカムも
母はフィリピン人。
体は小さいが、潜在能力はヒケを取らない。
そんなフィリピン出身力士は歴史上3名。
1988年に片男波部屋が3名の若者をスカウトし、
入門の運びとなった。
デビューして1場所。
2名が勝ち越し、1名は負け越し。
さぁこれから。
…というところで、全員廃業。
どうにかこうにか彼らの消息とその真相を知るべく
リサーチを掛けるも、悪いことをすれば終世名前を残すことになる
Googleでさえも彼らの名前はヒットしない。
唯一有ったのは、整骨院のブログのコメント欄で
「1場所で帰っちゃいましたよね」とだけ評されているのを
どうにか発見できた程度。
中学の同窓会で一瞬だけ名前を思い出してもらえたけど、
「誰それ?」の一言で会話が終了する、勉強ももスポーツも
目立たないあの子のような扱いである。
◆ブラジル:
過去に在籍した力士:16名 主な力士
 魁聖(最高位:前頭筆頭)
言わずと知れたサッカー大国。
日系人も多く、マイナー国の中では圧倒的な多さと言うのも
納得である。
最近では魁聖が出てきたので、ブラジル人力士が
身近な存在になってきたが、過去の力士について
認識が無いのは、あまり出世しなかったからなのだろうか?
これが意外とそうでもない。
池森、功弐東、若東の3名は十両昇進しているし、
7名の力士は幕下に昇進している。
入門直後に辞める力士も少なく
ある程度能力を持った力士が挑戦している。
その割には幕内の昇進については魁聖まで待たねばならない。
その次に知名度が有るのは、池森 剛。
日系3世の彼は、拓殖大学に進学し全国学生相撲選手権大会で優勝する。
その後大学を中退し、玉ノ井部屋に入門。
十両を7場所務めるもこの地位を保つことは難しく、引退。
ちなみにこの時代の玉ノ井部屋はブラジル人力士が6名在籍しており
一つの特色であった。
その後も玉ノ井部屋には1名のブラジル人力士が在籍していたが
継続的に在籍するには至っていない。
日系人にとって相撲が親しいものではあるのだが、
日本の生活が向かないのか、相撲が向かないのか、
思った以上に伸びない。
魁聖の活躍が、ブラジル人力士輩出の一助に成ることを願う。
 
◆韓国:
過去に在籍した力士:16人 主な力士
 春日王(最高位:前頭3)
 栃の若(最高位:前頭1)
スポーツ界では日本とライバル関係であることが多い韓国。
相撲についてもシルムが有ることから、
日本で名を挙げれば国民的英雄に成ることも出来る…
と思いきや、相撲の世界では三役に入っている力士が居ないのだ。
そもそもシルムというのは日本の大相撲と比べて
人気がそれほど有るわけではなく、
国民的な関心事ではないと言われている。
それ故、シルムから大相撲への転向での成功例が
春日王しか居ないのは致し方ないことなのかもしれない。
国際的な人気の獲得を人気回復の起爆剤として
身近な隣国の対抗心を利用しない手は無いのだが、
そうは上手くいかないと言うのは残念なことである。
ちなみにシルム出身の有名人にはあのチェホンマンが居る。
最近K-1にも出ていないし、一念発起して大相撲入りすれば
一体どのようなことに成るのだろうか。
2メートル18センチ。
曙よりも20センチ近く長身なのだ。
かつてボブサップがPrideに参戦した時のように、
誰も対応できないまま昇進することも有り得るのか。
◆香港
過去に在籍した力士:1名 
 勢鴻(最高位:序二段 88)
スポーツのイメージがあまり無い地域:香港。
卓球やバトミントンが強いということは
オリンピックで知ったのだが、
角界入りした力士が居るとは全く知らなかった。
この勢鴻という力士も、1年近く大相撲に在籍していたが
序の口と序二段でギリギリ勝ち越しを賭けて
闘うレベルの力士だった。
引退の経緯やその後については全く資料が無いため、
今どこで何をしているかは不明。
彼が引退したのが1989年。
しかし、驚くべきことにその引退から2年後の
1991年に香港相撲協会が発足している、
という事実が判明した。
どうやら日本相撲協会による支援を受け、
国際交流の一環として誕生した団体で、今でも活動しており、
英語と中国語のウェブサイトが存在している。
◆香港相撲協会ウェブサイト
http://www.hongkongsumo.com/index.htm
ロゴのセンスがとにかく凄い。
これだけでも、必見である。
続く。

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