相撲部屋の稽古に一度だけ行ったが、不運にも見られなかった私が再度稽古に行ってみた part2 吐合編

念願の相撲部屋見学のため、
北の湖部屋を訪ねた私。
憧れの対象を目の前に葛藤しながらも、
思い切ってチャイムを鳴らし、
部屋の敷居を跨ぐ。
靴を揃え玄関から上がると、正面に土俵。
右手には畳の間が。
土俵には力士達が所狭しと稽古を重ねている。
そして、畳の上には2名の親方と、
その息子と思しき少年が鎮座してメモを取っている。


私以外に見学は居ないらしい。
畳の間で座って見ていいものなのか、
立って見るものなのかよく分からないので、
招き入れられると同時に玄関付近で
とりあえず立ち見して様子を伺う。
「中で座ってご覧ください」
親方に促される。
そうか、座って見ていいのか。
まずそこからして分からない。
親方目線だと「なんで突っ立ってるんだ」
そう思うかもしれないが、自発的に取った行動が
ズレていたとすると、客観的に見れば非常に痛い。
そう考えれば、能動的に動くよりは
自分から動かずに何をすればいいかを確認すればいい。
親方2名の目の前を会釈しながが通る。
まるで中入り後の土俵入りのようではないか。
脱いだ上着とマフラーを左にやり、
座ろうと試みる。
土俵の上では申し合わせの稽古をしている。
2人の力士が実戦さながらの相撲を取り、
勝った方が残る。
周囲で見ている力士達は、勝敗が決まった後で
次の対戦相手として名乗り出る。
勝った力士は必然的に残り続けることになる。
さて、今勝った力士は誰か。
一際白い体に、膝のサポーター。
大きいとは言えない身体に、力士らしい肉付き。
鍛え上げられた太もも、ふくらはぎ。
ここまで見ればもう誰だか私には判る。
そう。
吐合である。
立ち合いのぶつかり合い。
相手を突き放し、距離を取る。
もろ手で攻撃の芽を摘みながら、
同時に相手を押しこむ。
絶好調の頃に、千代鳳や東龍を相手にも猛威を振るった
あの攻守一体の相撲だ。
あっという間に土俵の外に押し出す。
強い。
そしてまた、力士達が吐合に名乗り出る。
本場所とは異なるが、取っている相撲は同じ。
ピンと張り詰めた緊張感が、一室を支配する。
この光景を負けずに見るべきだ。
そう思うと、私は自然と正座で見ていた。
続く。

相撲部屋の稽古に一度だけ行ったが、不運にも見られなかった私が再度稽古に行ってみた part2 吐合編” に対して2件のコメントがあります。

  1. sumouobasann より:

    相撲大好きおばさんです。
    すばらしいブログの内容。いつもすごい、すごいと思いながら読ませていただいています。
    稽古見学初めてとはちょっと驚きでした。
    私も23日北の湖部屋の朝稽古見学に絶対行くつもりでいたのですが用事で行くことができませんでした。
    稽古見学はもちろん、こんなにすごいブログを書くnihiljapkさんはどんな人なんだろう? 今日北の湖部屋に行けばお会いできる。楽しみでした。
    吐合さんとお話しできましたか。
    次の更新、楽しみにしています。

  2. stotina より:

    「予備知識ゼロで行ってみた」完結編の衝撃展開は胸が熱くなりました。
    相撲部屋訪問記第二弾確定のフラグが立ったので楽しみにしておりましたが、「再度稽古に行ってみた」が開始、そのpart2でハッキー(吐合)登場、これまた胸が熱くなる展開ですね。
    新聞の連載小説を読むような、そんな心境でこれからも楽しませていただきます。
    で、ハッキーって愛称は、皆さん既知の情報なんでしょうか?

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