豊真将への大歓声に見る、「俺達の豊真将」への変貌とは?

今日は休日だったが飯田橋で
面談が予定されていたことも有り、
朝から総武線を使い、要件を済ませた。
休みだが、時間が有る。
するべきことは有るが、緊急度はそれほどでもない。
ならば、国技館に行こう。
三段目から相撲を見続け、
実はいろいろ有ったのだがそれはまた後日に。
稀勢の里の連勝や白鵬の鮮やか過ぎる勝利にも沸いたが、
一つ意外なことが有った。
そう。
豊真将に対する大歓声である。


豊真将は元々恵まれた体格とスケールの大きな取り口から
将来を嘱望された力士だった。
番付下位で大勝し、上位で大敗する。
素質は認めるが、上ではなかなか成績が上がらない。
期待が大きく、能力を発揮することも有るが
期待値を越えるには至らない。
それが豊真将という力士の評価だった。
豊ノ島や栃煌山、豪栄道に琴奨菊、
稀勢の里と並び称され、日本人力士逆襲の
旗手としての役割を期待されたことも有ったが
大関になった2人とは比較の対象ですらなく、
関脇に定着した豪栄道には完全に水を開けられた。
そしてそんな中、豊真将は大怪我をしてしまう。
左肩を痛め、2場所連続で休場。
Yahooで「豊真将」と検索すると、関連検索ワードに
「引退」が出てきてしまうほどのことである。
その結果、十両の最下位まで地位を下げてしまった。
そんなわけで今場所は、豊真将にとっては
再起の場所となったのである。
この場所で負け越せば、幕下。
関連検索ワード通りの事態すら想定される。
そこで、この大歓声である。
誰もが豊真将のことを後押しする。
この大器をここで終わらせたくないのだ。
土俵入りで大歓声。
取組前に大歓声。
そして、勝利後には一際大きな歓声。
怪我を負うことは、力士人生を揺るがす
大事件だったことは間違いない。
怪我については力士として肉体的能力を
落とすリスクしか無いので、しないので済むなら
しない方が良かったのは間違いない。
だがこの怪我が有ったからこそ、
ファンは豊真将の価値を再認識した。
彼を失うことがどれだけ辛いことかを考えた。
その結果、自分達に出来ること、
すなわち歓声を送るという行動に出たのだ。
確かに今の豊真将の動きはかつてのそれではない。
力士として足りない部分を、ファンの歓声が
後押しとなって埋める。
美しい話ではないか。
怪我で失ったものは計り知れない。
だが、豊真将は怪我を契機に「俺達の豊真将」へと
変貌したのである。
彼が得たものもまた、計り知れないのである。
今後豊真将がどうなるか。
非常に楽しみである。

豊真将への大歓声に見る、「俺達の豊真将」への変貌とは?” に対して1件のコメントがあります。

  1. 西澤 誠 より:

    こんにちは。いつも楽しく、そして最近は(相撲部屋見学シリーズ等)ワクワクしながら拝見させて頂いております。
    ファンと言いながら、このブログを拝見するまで幕下相撲など、地元力士の勝敗しか興味持てませんでした。相撲王国「青森」に住んで居ながら情けない・・・反省です。
    4日目に国技館に行きました。
    このブログを読んで初めて吐合や大露羅等を知り、幕下相撲の人間臭さ、十両昇進への人生を賭けた1番への思い入れ・・・等など・・・「3段目からしっかり観てあげなきゃぁ」と前の晩から東京入りして、朝のうちに全て仕事を片付けて昼前に国技館に行きました。
    三段目でも、地元のヒーロー!四股名ではなく「徹、イイぞう」と下の名前で応援してる方もいらっしゃいました。取組が終わった後は西の売店のあたりでミニ反省会・・・
    そんなの見てると、何だかウルウルして来ちゃいます。
    この感覚・・・関東、特に東京出身の方には、なかなか理解出来ないかも・・・
    田舎から自分の子供を東京に出す・・・期待よりはるかに大きな不安や心配はあるが、子供の前じゃそんなそぶり、微塵も見せられない・・・なかなか帰って来れない子供の一番を観に、後援会の方と一緒に上京して来る親の気持ち・・・涙、涙です。
    それはそうと、とうとう豊真将ネタ、来ましたネ! 待ってました!
    僕は豊真将の大ファンです。豊真将の真っ直ぐな相撲が大好きです。この日も土俵入りでの声援、すごかったです!
    豊真将もまたエリート。大学時代、怪我でのブランクを経て、相撲好きを再認識した一人・・・今回は2回目の大きな怪我なんです。
    そんな豊真将が愚直なまでに真っ直ぐな相撲を取り続ける姿に、ファンは大きな声援を送るんじゃないかな?。
    変化などこれっぽっちも考えていない取り口、心から相撲を愛している相撲バカ!
    ファンは、彼の評価を再認識して声援を送ったのかな? 何か、違う・・・
    豊真将のファンは、ずっと「豊真将の相撲」のファン! 
    日本人力士は外国人力士とは、生まれて来る時に貰って来た「物」が違うんです。
    狩猟民族と農耕民族の差? けれど豊真将はそんな外国人力士に対しても「相撲とは、こうやって取るもんだ」と言わんばかりの神々しい取り口で対峙して来たのです。
    勝ち負けじゃない!「相撲」とはこう言う物なんだと・・・
    豊真将のファンは、ずっ~と豊真将のファンだったんです。相撲に対するあまりにも真摯な姿勢に対するファンなのです。
    横綱審議委員会審議委員会。僕も入りたいけど、青森市在住じゃ・・・チャット等できないし・・・目指すは、相撲協会に「物を言える組織」!盛り上がれば無視出来ない存在になるはずです。
    ネットの力は年寄の想像以上に威力を持ってます。
    頑張れ豊真将、頑張れ横綱審議委員会審議委員会。
    青森市 50代男性 

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