現役力士が一般人に教えてくれるイベント。相撲健康体操に行ってみた。延長戦

夏休みに両国で力士が一般人に相撲の基本動作を
毎朝教えてくれるイベントが有るらしい。
その名も、相撲健康体操。
偶然発見して、休みであることをいいことに
その日の朝7時30分には両国国技館前に足を伸ばした私。
幕下以下の力士が教えてくれるという話を
聞いていたのだが、右肩上さんや森麗さんはまだしも、
どういうわけかあの大砂嵐さんまで居るではないか。
ストレッチをして、伸脚をして、
そして四股を踏む。
見よう見まねだが、やれるという達成感は
なかなかいいものである。
だが、そんな私に試練が待ち受ける。


股割り。
座った状態で両足を限界まで開き、前屈する。
岩木山さんの指示の元、力士達は
足を180度近くまで開く。
皆当たり前のようにこれが出来るのが凄い。
そもそも足をここまで開くこと自体が難しい。
もはや股関節なのか、どこなのかよく分からないが
柔軟性が無ければこの態勢すら出来ない。
私も試してみるが、まず足が開かない。
そして、限界まで開くと膝が上がってしまう。
これを頑張って地面に付けると、
痛くて仕方が無い。
上がろうとする膝をどうにか下ろそうと頑張るが、
これだけで汗が噴き出す。
そして、この後が更にキツイ。
足だけでも限界なのに、更に前屈するとなると
もう何がキツイのかもよく分からないくなる。
前屈しているつもりなのだが、意志だけが
前に倒れていて、身体はほとんど動いていない。
だが、意志を向けるだけでも身体が堪える。
甘くないぞ、この相撲ってのは。
そもそも私は身体が硬い上に、
中学時代から腰痛が持病なので、あまり前に倒せない。
そんな事情から柔軟はあまり出来ないので
久々にやろうとするとこんなことになってしまう。
私達が2カ月に一度、楽しませてもらっている相撲は、
こうした苦しい運動の下敷きが有って初めて成立しているのだ。
昔見た映像だと、股割りが出来ない新弟子を
竹刀で叩いて、泣きながら覚えさせていたものだが、
鍛え方の差異はあれど、今もなおこの伝統は変わらない。
そしてそれは単なる伝統ではなく、
番付を上げるための知恵でもある。
力士にとって一番怖いのは怪我である。
怪我をすれば、力士の命とも言える地位が
急降下してしまうことになる。
一度下がった地位を取り戻すには、かなりの時間を要する。
つまりは、怪我を避けるための基礎として
柔軟性を高めておくことが歴史的に求められてきたのである。
単純な動きだし、努力次第で誰でも出来ることではある。
だが、その「誰でもできる」ということには
多大な苦痛を伴う。
だから、誰でも出来るが、誰もがやらない。
苦悶の表情を浮かべ、前屈が出来ない状態で
力士と相撲の歴史の凄さを実感する私。

あれ?
一人だけ様子がおかしい。
前に居る力士の中で、股割りが出来ない者が居る。
そんなバカな?
力士でこれが出来なくて許されるものなのか?
このご時世ではあるが、殴られないのか?
いろいろと心配になる私。
全身に痛みを抱える中、他人の心配をする私は
実に素敵なのだが、問題はそこではない。
顔を上げて、その新弟子の顔を確認する私。
だが、その人物の正体は実に意外であった。


白い廻し。
そう。
大砂嵐さんである。
彼は岩木山さんにもマイクでいじられながら
股割りに四苦八苦するのだった。
◇特報◇
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また、今は場所終了直後ですので
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解説も交えて紹介しております。
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◇特報◇
私、相撲健康体操に8/6と8/22参加します。
後編で体操の内容は明らかにしますが、
朝7:30~7:50で、現役力士が教えてくれる、
実に画期的なイベントです。
参加資格・料金などは一切ありません。
運動できる服装で、現地集合で実施します!
当方は吐合Tシャツを着用しておりますので、
お声かけ頂ければと思います。
また、終了次第近くで少しお話が出来ればと考えています。
詳しくはこちらを参照願います。
http://www.sumo.or.jp/kyokai/goannai/0016/natsuyasumi_2013.html
プロフィール欄のメールアドレスにメールをご送付のうえ
参加表明頂けますようよろしくお願い致します。

現役力士が一般人に教えてくれるイベント。相撲健康体操に行ってみた。延長戦” に対して1件のコメントがあります。

  1. きしめん より:

    こんな関取、前代未聞だ…
    大砂嵐の怪我を憂慮するのもうなずけます…
    でも、来場所は師匠の最高位を追い越しそうだし…
    同じ大嶽部屋の右肩上も、BSの幕下の取組で見た限りでは、誰でも踏めそうな位に四股が低かったなぁ…

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