豪栄道が挑む、大関獲り。昇進後2年間の苦悩を知る稀勢の里が伝える、大関の厳しさとは?

九州場所も、7日目まで終わった。
大関獲りが懸かる豪栄道は、ここまで5勝2敗。
両横綱と1大関を残して2敗というのは、
少し厳しい展開である。
例えば今場所10勝5敗だったと仮定すると、
来場所は12勝することが求められる。
12勝というのは、日馬富士でさえなかなか
記録することが出来ない好成績だ。
だが、大関を掴むにはこの状況を打破し、
どうにか11勝を記録することが求められるのである。
33勝というのは、それだけ難易度が高く、
琴錦も、長谷川も、そして若の里も跳ね返されてきた壁なのだ。
豪栄道が今まで求められていたのは、
三役としての役割である。
関脇として、個性派力士として彼は確かに優秀だった。
だが、大関に成るということはそれだけでは許されない。
9勝してもクンロクと言われ、
8勝では失笑である。
負け越しだとカド番が待ち受けていて、
その力士ではなく、大関という地位の失墜を論じられてしまう。
関脇と大関は、このように世間の目も、
責任も大きく異なる。
そして明日の対戦相手は、そんな豪栄道が
この2場所で見るであろう地獄を、苦悩を、弱さを、
全て垣間見てきた力士なのだ。
そう。
稀勢の里である。


稀勢の里は大関昇進後の2年で、歴代屈指の好成績を残している。
例えば、彼はこの2年で1度しか一桁勝利を記録していない。
鶴竜は9場所中6場所、琴奨菊は12場所中7場所が一桁であることからも
彼の安定感の凄さが分かるであろう。
そして、稀勢の里は3場所連続で準優勝。
昇進から2年で着実に力を付け、
ここ1年は65勝で日馬富士の64勝を上回り、
白鵬に次ぐ2位の成績を残している。
だが、稀勢の里を褒めるものは殆ど居ない。
なぜなら彼は横綱を目指す大関だから、である。
横綱を目指す大関に対しては、横綱としての成績が求められ、
大関を保つ大関に対しては、最低限2桁勝利が求められる。
そして、2桁勝てる力士に対しては、横綱としての成績が求められる。
結局のところ、どちらの立場でも褒められることは無い。
そういう厳しい目に、豪栄道は耐えられるのか?
稀勢の里は、2年間耐えてきたのだ。
勝負弱いと言われ、腰が高いと言われ、
脇が甘いと言われながらも、彼は一定の結果を残してきた。
勿論彼の成績は大いに不満も有る。
だが、それでも彼はそんな中で自らを追い込み、
着実に実力を付けてきているのだ。
稀勢の里は、大関としての重責を十二分に果たしている。
1敗の今場所は、優勝を懸けて関脇を相手に
負けることが許されない状況である。
豪栄道が関脇で終わるのであれば、
大関に敗れても勝ち越せば特に問題は無い。
だが、もう2つしか負けられない状況なのだから、
相性を考えても稀勢の里は勝っておきたい相手なのだ。
大関に成るには、稀勢の里に勝たねばならない。
優勝するには、大関獲りの懸った豪栄道に勝たねばならない。
大関の厳しさは、大関にしか分からない。
その重みを知る稀勢の里を、越えられるのか?
豪栄道に注目である。
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