遠藤は、まだまだ伸びる余地を残しているのかもしれない。苦戦の前半戦と、逆襲の後半戦を振り返る。

遠藤が、苦しんでいる。
ここ1年の相撲界の希望であり、それ相応の結果を
残し続けてきた遠藤が、遂に試練に直面している。
場所前から怪我の影響で稽古が出来なかったこと、
自己最高位で相手のレベルがかなり向上していること、
そして、周囲の期待によるプレッシャーが有ること。
1年前まで全日本選手権に出ていた遠藤が、
今はこのような状況で相撲を取っている。
どれか一つだけでも相当大変なことだが、遠藤の場合は3つである。
特に、怪我の影響というのは思った以上に深刻なのかもしれない。
踏みとどまれるところで、止まららずに土俵を割る。
前みつが欲しいのだが、突き押しを受けて下がってしまう。
四つ相撲の宿命なのか、相手を捕まえるために
ある程度の攻撃を受けるのだが、その受けが上手くいかない。
これが遠藤の生命線なのだろう。
普通残せないところで残せたり、
それでも上手く受けられているところに、
遠藤の非凡さを感じるのだが、何とかなる可能性を
残した状態で土俵を割る姿に、非常に残念な気持ちになった。
初日からの成績は、1勝5敗。
この後どうなることかと思っていた。
だが、私はひょっとすると初めてかもしれない疑問を、
遠藤を介して抱いた。
遠藤は、場所中に強くなっているのか?


千代大龍と天鎧鵬に対して勝つことで
星を見られるほどに戻し、佐田の富士には敗れる。
問題はこの後である。
高安戦と、今日の嘉風戦。
それほどこの2番の勝ち方は圧巻だった。
相手を止める。
前みつを取る。
相手を崩す。
決める。
非常に単純なことなのだが、この動作に全く無駄が無く、
気が付くと「え?」というくらい鮮やかに勝負が決まってしまう。
高安戦での投げ。
嘉風戦での寄り。
どれも格上の力士があしらうような、そんな動きだった。
相撲って、これほど簡単なのか?
私は白鵬が三役以下の力士をあしらって勝つ時、
いつも同じ疑問を抱くのだが、
この二日の遠藤を見てそう思うことになるとは、
予想だにしなかった。
あくまでも強い形が出ただけかもしれない。
相手の良い部分が出ると、リカバリが利かないかもしれない。
だが、この二日の勝ち方には今までに無い凄味を見せてくれた。
遠藤は、まだまだ伸びる余地を残しているのかもしれない。
下手をすると、千秋楽まで全勝してしまうのではないか?
もし、そういう勝ち方をしたとしても、私は驚かない。
それほどインパクトのある2日間だった。
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