豪栄道が直面した、大関獲りの厳しさ。常に2桁勝利を求められる鶴竜と比較し、大関の凄さを知る。

豪栄道の大関獲りは、厳しい結果に終わった。
厳しい時代を生き抜き、27歳の今ようやく掴んだチャンスだったが、
今場所は中盤戦での崩れが顕著だった。
稀勢の里には勝ったが、稀勢の里の焦りと
首投げが一致したことが要因の、いわゆる
「勝ちに不思議の勝ち有り」という内容だったことは否めない。
2場所の通算勝利は、19勝。
13勝して初めて議論の対象になるという状況である。
だから尚更、白鵬と稀勢の里を破ったうえでの
11勝という成績が悔やまれる。
本来であれば13勝はしておきたかったのが先場所。
だが、考えてみると今場所だって
琴奨菊も琴欧洲も居なかったのだ。
場所中の記事にも書いたが、追い風は吹き荒れていた。
厳しい言い方をするようだが、
追い風が吹いていてこの状況ということは
大関は白紙となっても仕方が無い、ということである。
何しろ大関が休場しなければ、勝ち越しすら危うかったのだ。
豪栄道の将来を考えれば、むしろこのほうが良かったのかもしれない。


稀勢の里は、大関としての責務を果たしながら
あれだけの批判を浴びている。
彼の場合は求められるのが横綱だから仕方ない部分も有るが、
大関というのはレベルが高ければ横綱を、
そこそこのレベルであれば2けた勝利を常に求められる。
豪栄道は、常に2桁を勝てるレベルなのだろうか?
上位フル対戦の番付で、彼は今のところ4場所しか達成していない。
そこで思い出すのは、鶴竜のことである。
彼もまた、批判される立場の大関だ。
とはいえ、鶴竜は優勝争いには絡んでこないので
基本的には2桁勝利程度のラインがボーダーラインとなる。
この辺りの要求レベルに関しては琴奨菊と同じと見て良い。
鶴竜は、上位フル対戦の状況で豪栄道の2倍以上の
9場所で2桁勝利している。
そして、最後に負け越したのが平成22年の11月場所。
実に3年もの間勝ち越し続けているのである。
ちなみにこの間、豪栄道は5場所負け越している。
大関としての要求レベルで考えれば物足りない。
それは確かなことだ。
大関昇進後の10場所で2桁勝利が3回、
後はクンロクハチナナで及第点が与えられる立場ではない。
豪栄道が目指したのは、こういう地位だったのである。
今場所の鶴竜は、怪我の影響で殆ど稽古していなかった、
という後日談が聞こえてきている。
境川部屋や佐渡ヶ嶽部屋とは異なり、
鶴竜は井筒部屋だ。
誰も援護などしてくれないし、実力者とは
全て対戦しなくてはならない。
常に厳しい目で監視され、格下に負けても
大関に負けても批判の声が聞こえてくる。
豪栄道が晒された監視の目を、常に受けているのが
鶴竜なのだ。
豪栄道の苦しみを見ながら、たまには
鶴竜の凄さに少し思いを馳せてもいいのかもしれない。
勿論、それを思い出したからと言って
要求水準を下げる必要はない。
何故なら、それが大関なのだから。
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豪栄道が直面した、大関獲りの厳しさ。常に2桁勝利を求められる鶴竜と比較し、大関の凄さを知る。” に対して1件のコメントがあります。

  1. げんもん より:

    鶴竜があと1~2勝してくれれば、もっと面白くなるんですけどねぇ(@_@)

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