琴欧洲の短期間での衰えは、肉体的なものだけではない。引退前に大砂嵐との対戦を希望する理由とは?

琴欧洲が土俵生命の危機を迎えている。
もはや1勝7敗という成績が全てを物語っており
これ以上に説明の余地も無いようにも思うのだが、
今の琴欧洲は大関時代の面影が無い。
自分の形が作れない。
踏み止まれない。
盛者必衰という言葉が有るが、
力士はここまで短期間で変わってしまうのかと驚く。
今私達が観ているのは、私達が知っている琴欧洲とは
別人と言っても過言ではない。
付け加えると、7敗の中に白鵬・日馬富士・稀勢の里は
含まれていない。
前頭上位の玉鷲、栃乃若、高安とも未対戦。
順当に行けば10敗以上してしまう計算だと言えば
今の琴欧洲が置かれた状況が分かるだろう。
しかし何故、琴欧洲はここまで成績を落してしまったのか。
肉体的な衰えという説明では、この短期間の変化を
立証し切れない。
精神論で全てを解決するのは好きではないが、
琴欧洲が2か月前と確実に異なることが有る。
それは何か。


一言で表すと、「闘う理由」である。
ここ数年、大関の地位を守ることこそ闘う理由だった。
力は衰えていたし、いわゆる大関らしい相撲を
取れないことは誰の目にも明らかだったが、
それでも彼は大関で在り続けた。
今にして思うと、ここ数年は2桁勝てなかったというより
2場所連続で負け越さなかったことこそ
琴欧洲にとって誇れることだったのかもしれない。
そんな彼を揺り動かしていたものこそ、
大関としての責任だったのではないかと思う。
大関は、10勝はしなくてはならない。
大関は、相撲界の顔として君臨しなければならない。
このような目で見られていれば、準備の質も
土俵に向かう気構えも変わる。
地位が人を育てるのである。
そして、先場所10勝出来なかったことで、
琴欧洲が大関に復帰することは極めて困難と
言わざるを得ない状況になった。
厳しい言い方だが、18場所で3場所しか2桁勝利していない、
しかもそのすべてが10勝という琴欧洲にとって
大関に復帰することは現実的な目標ではない。
だとすると、彼は一体何の為に闘うのか。
テーマを見出しにくい状況であることに加えて
日本国籍取得という、逆に今度は引退するための
大きな理由まで出来てしまった。
どのような決断をしようとも、それは琴欧洲が
考えた末の結論だから、私はそれを支持したいと思う。
だが、これだけの名力士だからこそ、
私は琴欧洲最後の闘いを観てみたいとも思っている。
そう。
大砂嵐との一番、である。
身体能力に定評が有り、型破りな取組スタイルで
先輩力士の頭痛の種と化している大砂嵐は
かつての自分を彷彿とさせる存在であることは間違いない。
次世代外国人力士の旗手的存在の大砂嵐に敗れれば、
これは世代交代を高らかに宣言する結果となる。
この取組が組まれて燃えない奴は、力士ではない。
引退するのは、蝋燭の炎が燃え盛るところを見届けてからでも
遅くないと思うのだ。
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琴欧洲の短期間での衰えは、肉体的なものだけではない。引退前に大砂嵐との対戦を希望する理由とは?” に対して1件のコメントがあります。

  1. kenji より:

    仰る通りでしょう。
    ここ数年衰えは明らかだったし、先場所でモチベーションも無くなった時に日本国籍取得。
    引退を強く考えても不思議でも何でもないですよね。
    日本には有終の美、という言葉がありますが、ヨーロッパにもあるのでしょうか?
    まだ決まった訳では無いですが、把瑠都に続き琴欧洲…
    一世風靡した欧州の大関が引退となると、少し寂しくなりますね。

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