優勝候補:全員。3横綱不在で予測不能な9月場所を、楽しもう。

稀勢の里が、居ない。
鶴竜が、居ない。
そして、白鵬が居ない。
9月場所は、始まる前から残念なことが相次いでいる。懸賞金も200本取り下げられるという。致し方ないことだ。近年の大相撲を支えてきた3横綱が居ないのだから。
彼らの相撲を観られないのは残念としか言いようがない。左手一本で吹き飛ばす稀勢の里の相撲も、前捌きで勝負を決める鶴竜の相撲も、物議は醸すがカチ上げで圧倒する白鵬の相撲も観られないのだ。
そして、彼らの産み出すドラマが観られないこと。これが何より残念でならないのである。
だが、考えてほしい。9月場所はつまらないのだろうか。白鵬や稀勢の里が居ない大相撲は、どうなのだろうか。
私は、自信を持って楽しいと言える。
理由は単純だ。
優勝の行方が全く分からなくなったからだ。
番付に目をやってほしい。
一体誰がこの場所を優勝するのだろうか。
絶対的な本命は、誰も居ない。
素晴らしい力士は沢山いる。だが、誰もが不安要素を抱えている。日馬富士も、高安も。彼らが優勝を逃す可能性も多く残されている。
一方で、普通の場所では優勝の可能性を考えたことのない力士でも、「ひょっとしたら」と思えないだろうか。
玉鷲は、どうだろう。
あのノド輪が猛威を振るえば、横綱大関を多く倒せれば、あとは関脇以下だけが残る。
嘉風は、どうだろう。
あの猛烈な攻めがハマれば、あとは星を落とさなければチャンスが有る。
栃煌山は、どうだろう。
上位でも大勝ち出来る彼が生き残れば、他の力士が自滅するかもしれない。
御嶽海は、どうだろう。
番付を下げた正代は、どうだろう。
他の場所なら健闘はしても、優勝まではと思う力士の全てに「ひょっとしたら」が残されているのだ。白鵬と日馬富士が休場した2年前の9月場所も、同じようなことを考えた。だがあの時は鶴竜も稀勢の里も、初優勝から間もない照ノ富士も居た。上位の中で可能性の有る力士が数多く居る。私はあの時、そう考えたのだ。
だが、今回は違う。
そう。
優勝候補は、全員なのだ。
平幕優勝の可能性もある。大関を狙う実力者が勢いに乗って優勝する可能性もある。そして、横綱大関が貫禄を見せる可能性も、勿論ある。
こんな場所は、記憶に無い。ブックメーカーが倍率を付けたら、一体どのようなオッズになるのだろうか。恐らく大混戦ではないかと思う。
3横綱が居ないことは残念だ。だが、彼らが居ないからこそ観られる15日間が、今あるのだ。最高にスリリングで、最高にエキサイティングで、誰もが予想できない9月場所が始まる。
あと1日。
残念を通り越し、私は今、ただ待ち遠しい。
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