相撲協会の年間10億円の赤字を解決する、唯一の方法とは?

相撲協会が12年度で10億円余り赤字だったという
ニュースが報じられた。
3年連続の赤字で、10年度は野球賭博問題から
テレビ放映での収入が無かったこと、
11年度は八百長問題での本場所中止が有ったことに起因している。
つまり、12年度はこれといった問題が起きていないのに
赤字だったということである。
これはかなりマズい。
八角親方曰く、入場料収入を増やすことで
この状況を打開していきたいということだが、
これは実に難易度が高いことである。


何しろテレビをつければ相撲は観られるのだ。
タダなら観るかもしれないが、
予定を空ける、移動時間を掛ける、
お金を払う、というハードルを越えてでも
観たいと思わせなければいけないのだから、
難しい話である。
サッカーでも野球でも同じことなのだが
テレビで放映していれば観るけれども、
では現場に足を運ぶかと言えばそれほどでもない、
という人はかなり多いことだろう。
相撲に対してポジティブな人でさえこの状況なのに、
昨今の不祥事は新規ファンを取りこむ上で
相当な阻害要因となってしまっている。
この状況では、新たなファン層は足を運ぶどころか
テレビですら相撲を観てくれない。
そう考えると、新規ファンの開拓と
既存ファンの深耕というのは別のアプローチで
捉える必要が出てくる。
新規ファンには興味を持ってもらい、
既存ファンには足を運ばせる。
これらを戦略的に実施する必要が有る。
最近行われたももクロとのコラボというのも
この一環であろう。
とはいえ考えてみると、相撲界には
明るい材料が有ることに気付いた。
そう。
かつては毎日満員御礼だった時代も有るのである。
敷居が高いはずの足を運ぶ、と言う行為を
過去にしている人も数多く存在している。
それだけ強い関心を持っている人が居るのだから、
あとは彼らをどう動かすか。
巨人大鵬卵焼き時代は、相撲に対して大多数の人々が
強い関心を持っていたわけで、
イチから相撲に対して理解を深める必要は全く無い。
答えは非常に単純で、
明るいニュースを提供すること。
これに尽きるわけである。
ゼロからファン層を拡大しなくても
過去に足を運んだ人や強い関心を抱いている人たちさえ動かせば
短期的にはこの問題を解決可能なのだ。
そして、その明るいニュースというのは
バラエティ出演やCM出演、コラボなどということではない。
これらはどちらかと言えばコアなファンを動かすための施策ではなく
相撲や力士を知ってもらうための試みである。
相撲ファンを喜ばせるためのニュース。
それは結局強くて楽しい力士の存在ということになる。
こればかりは一朝一夕には解決しない。
その上、外国人力士だと余程魅力的でなければ
感情移入しがたい部分も有るので、
結局のところ日本人力士の奮起を期待するしかない。
稀勢の里への期待が高まるのは
彼にはその可能性が有るからであり、
またファンとしても既に盛り上がる準備が
出来ているからなのだと私は思う。
逆に言えば、現状でこの問題を解決できるのは
稀勢の里しか居ないということである。
白鵬や日馬富士をねじ伏せるだけの可能性が
他の日本人に有るだろうか。
少なくとも幕内には見当たらないのが実情である。
相撲界の浮沈のカギを握るからこそ、
誰もが大きな期待をするし、
それに応えられない時に批判もされる。
琴奨菊は優勝争いをしなくても批判されないのに、
稀勢の里は2ケタ勝っても批判されるのは
つまりそういうことなのである。
世界に閉塞感を覚えている時こそ、
ヒーローの誕生が望まれる。
ヒーローの待望はその世界が良くない状態であることの
証明なのである。

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