もう我々は、稀勢の里には期待しない方が良いのか?中編

稀勢の里に対する風当たりが強くなっている事に伴い、
そうした批判の正当性を検証すべく、
彼の実績を評価してみようと思う。
大関としての通算成績では、比較的優秀な部類であることは
ご理解いただけたと思うので、別のアプローチを用意してみた。
在位からのトータルの成績によって傑出度を測ったが、
今度は一定期間の成績を図ることで安定感を検証する。
そこで、1年間の成績を比較しようと思う。


平成24年 稀勢の里 61勝29敗
10勝5敗以上の成績を残し、2012年の稀勢の里は
このような結果となった。
では、果たして最高位が大関の力士の中で
これを上回る成績を残した者が居るのだろうか?
年間6場所制以降の力士について、検証した。
◆データ2:
最高位が大関の中で、61勝29敗以上の成績を残した事例
鶴 竜:なし
琴奨菊:なし
把瑠都:平成23年 61勝29敗(1回)
琴光喜:なし
琴欧洲:平成22年 61勝29敗(1回)
栃 東:なし
魁 皇:平成16年 69勝21敗(1回)
雅 山:なし
武双山:なし
出 島:なし
千大海:なし
貴ノ浪:平成 8年 69勝21敗(1回)
小 錦:平成 2年 64勝24敗(1回)
北天佑:昭和60年 63勝27敗(1回)
朝 潮:なし
若嶋津:昭和59年 71勝19敗(1回)
琴 風:昭和58年 68勝22敗(1回)
増位山:なし
旭 國:なし
魁 傑:なし
大 受:なし
貴ノ花:昭和52年 63勝27敗(1回)
大麒麟:昭和46年 61勝29敗(1回)
前の山:なし
清 國:なし
豊 山:昭和39年 61勝29敗(1回)
栃 光:なし
北葉山:昭和39年 62勝28敗(1回)
若羽黒:なし
琴ヶ濱:なし
松 登:なし
大内山:なし
三根山:なし
何と、60年余りの歴史の中で13例しか無い
大記録であることが判明したのである。
5年に一度くらいしか出ない、優秀な成績ということだ。
二つのデータから判明したのは、
稀勢の里というのは安定した成績をコンスタントに残せる、
超優良大関ということである。
まずは、稀勢の里が既に相応の実力と実績を残している、
ということは理解しなければならない。
だが、様々な外部的要因から
彼は不当に過小評価されている。
だからと言って、私は稀勢の里がこのまま大関で
満足はしないし、そのようなことを主張したいわけではない。
では、稀勢の里は何故このような評価を受けるに
至っているのか。
続く。

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