現役力士が一般人に教えてくれるイベント。相撲健康体操に行ってみた。中編
夏休みに両国で力士が一般人に相撲の基本動作を毎朝教えてくれるイベントが有るらしい。
その名も、相撲健康体操。
その日休みで朝4時30分に偶然目を覚ました私は、ツイッターでそれを知り、眠い目を擦りながら小田急線に乗り込んだ。
そして両国に辿りつくと、国技館では既に力士が待っていた。
しかも、それは私にとって思い出深い顔だった。
アンコ型の力士らしい力士体型。
そして、現実世界から隔絶された感の有る、ザ・力士といった風体。
そして、関取のそれとは異なるが、ある種の風格も有る。
前回の記事はこちら。
そう。
あれは、右肩上さんである。
大嶽部屋所属で、先代の親方が出世を祈って名付けた、相撲ファンなら名前だけは誰でも知っている存在。私にとって彼が思い出深いのは、かつて清澄白河に予備知識の無い状態で稽古見学に行った時のこと。
何処の部屋も公開していなかったためにしょんぼり帰ろうとした時にパン一で歩いていたのが
右肩上さんだったのだ。
この時私は、彼に稽古見学の大まかなルールを立ち話で10分ほど根掘り葉掘り聞いていた。故にその後の北の湖部屋見学が驚くほどスムーズに行ったのである。
幕下以下の力士が今日は教えてくれるというので、右肩上さん以外にも見てみると、私でも分かる力士がまだ居た。
森麗さん。
ハルウララのように、負けても負けても現役を続ける力士。
一目見たら二度と忘れない風貌である。
そうか。
今日は大嶽部屋の力士が担当らしい。
その他にも、相撲教習所に通っている力士も居るらしい。国技館周りを廻し一丁でランニングしている。せめてトレーニングウェアでいいのでは?と思うのだが、それは彼らのしきたりであるらしい。
少しばかり妙だと思う風習でも、続けてみればそれは味になる。そんなもんだ。ちなみに私でも分かる教習所の生徒としてはあのムサシマル少年が居た。
そして、私は更に目を疑った。
お、
大砂嵐だ!!
白い廻しを身に付けた、ボブサップのような体型のエジプト人力士はニコニコしながらファンと写真撮影に興じている。どうやら相撲健康体操に参加するようだ。
あれ?
え、でも、この相撲健康体操って、
幕下以下の力士が教えるんじゃないのか?
…うるせぇ!
細けぇことはいいんだよ!
私は周囲のおじさん達が靴下を脱ぐのを横目に見ながら、自分も右へ倣えとばかりに裸足になり、ストレッチを始めた。
続く。
師匠が十両止まりの小部屋も、大砂嵐効果で「おかあさんといっしょ」で取り上げられましたし、すっかり注目の部屋に!
大砂嵐といい、相撲教習所に通い続けている遠藤といい、いい意味で関取の敷居を低くしてくれていますね。