把瑠都降格に見る、大関復帰の高い難易度。

把瑠都の関脇降格について先日
あまりにも現実味が無い、という話を書いた。
体格とパワーに裏打ちされた、
圧倒的な取り口であることが強いという印象を
更に強くしているのだと感じる。
また、初場所に優勝しており、その時に
白鵬をも凌駕したパフォーマンスについても
印象に残っているということも一つの要因である。
そんな強い印象の有る把瑠都だからこそ、
来場所戻ってきたら、10勝以上を残すことによって
大関への復帰もそう難しくないのでは?という
印象を受けるのである。
だが、本当にそうだのだろうか。


私は、関脇降格後の元大関が
1場所で復帰したという事例をあまり覚えていない。
それは果たして印象だけなのだろうか?
というわけで調べてみると、
実に意外な事実を知ることになった。
そう。
1場所での復帰は、何と4例しかないのだ。
三重ノ海、貴ノ浪、武双山、そして栃東。
ほぼ全ての大関が、降格を経て引退することを考えると、
この大関復帰の少なさがいかに異常であるかが
よく判るだろう。
確かに、力が落ちての降格ではない、という点に於いては
過去の大関とは状況が異なるとは言える。
そのため、事例が少ないからと言って
そこに当てはめて悲観論を振りかざすというのは
少々乱暴なのかもしれない。
だが、それでも4例なのである。
ましてや把瑠都を除けば2横綱4大関である。
力が衰えていない、というプラス要因も有るが、
実力伯仲という不安要素も同居しているのだ。
そして、もうひとつの事実として、
三重ノ海を除く3大関が、大関復帰後
約4年で降格ないしは引退しているのである。
復帰するのも地獄、そして、復帰後もまた地獄。
大関陥落の先には、茨の道しか用意されていない。
把瑠都が新しい歴史を作るのを見てみたいとも思うが
その一方で、そうした歴史が今までに無いというのも
一つのポイントである。
果たして、把瑠都はこの後どうなるのか。
興味は尽きない。

把瑠都降格に見る、大関復帰の高い難易度。” に対して1件のコメントがあります。

  1. kemunpass より:

    <1場所での復帰は、何と4例しかないのだ>
    何例中の4例なのか? それが提示されていないと
    希少例であることの証明にはならないと思います。
    <三重ノ海を除く3大関が、大関復帰後
    約4年で降格ないしは引退しているのである>
    一般的に大関を陥落するというのは、力がある程度落ちた
    時に起こるケースが多いと言われていますが、
    それでも復帰した力士の4人中3人が約4年もの間、地位を
    保持したということは、そのことの方が凄いことのように
    思います。 如何ですか?

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