俺より強い奴に会いに行く。相撲界のプロアマ交流は、レベルアップのための起爆剤である。
鳥取城北高校出身で、現在同校でコーチを務める
アルタンホヤグ・イチンノロブの湊部屋入りが決定した。
という話を書いた際に、貴乃花グループと
強豪高校との交流合宿の話についても少し触れた。
部屋・高校別の団体戦に加えて、
個人戦も実施しており、個人戦では先のイチンノロブが
優勝しているのである。
正直なところ私はどういった事情から
今までプロアマの交流が為されてこなかったのか知らない。
今後この流れが拡大できるか否かも分からない。
だが、力士にとって強くなるためには
絶対にプラスになる機会だと私は思う。
アマチュア側から考えると、普通はアマチュア力士としか
対戦が無いので、良くも悪くもアマチュアレベルでの
競い合いとなる。
ご存知の通り、相撲界の頂点は大相撲である。
アマチュアの世界にも優秀な力士は存在しているのは事実だが
例えば白鵬や日馬富士に勝てるアマチュア力士は存在しない。
アマチュアとプロが交流すると
「プロ」や「同世代」といったキーワードで
対立構造が生まれることになる。
すると、間違いなく彼らの中には競争意識が芽生える。
確かに本来であれば大相撲の方が強いことは確かで
アマチュア力士は負けても失うものは無い。
だが、敗れることを是とするアスリートなど
地上に存在するはずもない。
アマチュア界では名の知れた存在でも、
プロと当たると歯が立たない。
プロとしての誇りが有りながら、学生をしながら
言い方は悪いが片手間で相撲を取っている人達に敗れる。
どちらを取っても、屈辱に違いない。
強い力士に囲まれ、精神的にも肉体的にも
技術的にも磨かれる環境に居るのだから、
早い段階から大相撲に身を投じた方が成長機会が多いことは
間違いないだろう。
とはいえ先行きの見えない世の中で中卒で入門しろ、
と言ったところでそれはいかにもリスキーなのである。
高卒・大卒力士の比重が高まることは容易に想像が付く。
だとすると、発想を変えてこうした世の中で
アマチュア力士を強くするためにはどうすれば良いか。
成長機会を与える必要が有る。
その切り札が、プロアマ交流なのだと私は思う。
出来ることなら、高校選手権や大学選手権で
同世代のプロ力士が参加するところも観てみたい。
例えば去年であれば遠藤VS舛ノ山が実現するし、
その前であれば大喜鵬(山口)VS高安である。
今年なら、中村VS千代鳳。
これは、面白くない訳が無い。
相撲の発展のために、何が譲歩できて何が
変えてはいけないのか、考える時期に来ていると私は思う。
プロアマ交流というのも、その一つである。
力士と、観客と、協会。
3-winの関係を如何に作るかが重要である。
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