相撲アイドル:山根千佳の相撲ファンぶりは、想像以上にガチだった。相撲の魅力を広く伝えるために、アイドルがカギを握る理由とは?
7日目の相撲中継をご覧になっただろうか。
場所恒例の、部屋訪問。
今回は臥牙丸。
新品の筈の自転車が既にタイヤが崩壊寸前だったり、両親への想いを語ったり、ちゃんこを幸せそうに食べたり。見所は毎回のように満載だったのだが、今回は別のところにも注目した。
相撲アイドル:山根千佳である。
最近ではガンダムアイドルや鉄道アイドルに代表されるように、アイドルがオタクやマニアを売りにしてプロモーションされるということがよく有る。しかし実際は彼らの心を掴むことが難しい。何故なら大抵の場合が後付けで、底の浅さが否めないからである。
そんなわけで正直なところ私はあまり期待せずに観ていた。
臥牙丸へのインタビューは、基本的には彼主体なので相撲知識の深さを窺い知ることはあまり出来なかった…はずだった。
だが、私は見逃さなかった。
そう。
それは臥牙丸の自宅に行って取材したときの映像だ。
部屋の中にはグルジアの国旗やら何やらが色々と飾られており、彼女はその辺りをニコニコしながら尋ねる。
問題はここからだ。
壁に大量に張られた写真を見ながら、「栃ノ心さんですね」と声を上げている。
最近後付けで相撲アイドルと言い出したにしては、栃ノ心はやや難易度が高い。何故なら、ここ1年で大きく番付を落しており、にわか仕込みの知識では対応しづらい存在と言えるからである。そしてマワシ姿でない力士は少し印象が異なるので誰かだと気づいてもなかなか声に出しにくいということが有る。
とはいえ、勘が良ければ特に問題にしないことも有る。
だが、その写真を観て私は驚いた。それは現在のものではなく、栃ノ心が若い頃のものだったからだ。
国技館に来ている女性ファンでも、これが出来る人は一体どれくらい居るだろうか?これは、本物かもしれない。録画映像を見終えると、私は何気なく山根千佳という名前を検索した。
すると、彼女のブログが出てきた。
とりあえず、見てほしい。
…想像以上である。
私の驚きを共有するために、今日のエントリーについて
衝撃的な表現をピックアップしてみる。
・魁聖関、最近土俵際、首投げみたいな動きが多い気がします。
・体重を増やした蒼国来関、その効果もあってか重たい一気の攻め!
・好調の北太樹関は右でおっつけていき、すくい投げ!力の入る相撲でした
これは、おっさんの所業である。近頃流行りのゴーストライターでは?と勘ぐりたくなる程のガチぶりだ。
だがこの勘繰りもまた、ひっくり返される。
これを聴いてほしい。
松重豊さんが相撲中継にゲストで来ていた時も相当驚いたが、
今回はそれ以上である。
彼女もまた、単なる博識なのではなく、純粋に相撲が好きなのだ。そうでなければ「おかみさんになるには責任が重い。恐縮です」という言葉は出てこない。
アイドルがここまでの熱量で相撲を語れるということは本当に重い。ただでさえ相撲は年寄りやマニアが観るものという見方をされがちな昨今なので例えば私が語ったところで狭い世界の住人がその共同体の中での出来事として片付けられてしまう。
だが、これがアイドルだとすればどうだろうか。
仰ぎ見られる存在が純粋に楽しいと思うことであれば、受け手としてはその言葉を受け入れやすい。そういうものが、今の相撲界に必要なのだ。色眼鏡を掛けて観られないためにも、中立な存在が観ても面白い、
ということを世間に広く語る必要が有る。
そしてその役割を担うだけの価値が、相撲アイドル:山根千佳には有ると私は思う。
知識が有り、話が上手く、そして相撲愛が有る。
今後山根千佳をメディアで目にする機会が増えることを願いたい。
そりゃ、何十万人、何百万人にひとりくらいは変わり者がいるもんだよ。
ただ、相撲ファンの大多数はジジババだから、大した売名にはならないだろう。というか、同年代の若者はみんな引く。その意味では正真正銘の変わり者の可能性はあるわな。
いつも楽しく拝見しています。初めてコメントさせていただきます。
テレビを見ていて同じ所で感心しました。私では写真だけだと栃ノ心の名前はさっぱり出てきませんでしたが、山根さんはパッと出してきましたね。
実は相撲好きの若い女性はそれなりにいるのかもしれません。先月の超会議場所を観てきましたが、明らかに10代20代の女性が贔屓力士に声援を送っているのを見かけました。最近は相撲協会も若いファンの獲得に力を入れていると感じます。良い結果に繋がってほしいですね。