相撲の地位失墜の原因とは?1
前回、鳴戸親方急死に伴って
最近の相撲報道についての私なりの憤りを書き連ねたわけだが、
論旨を一言に集約すると、
相撲に対するリスペクトが失われている
ということである。
考えてみると、相撲取りの私生活や
内面的なレベルというのは実のところ
今も昔もそんなに変わりは無い。
例えばかつて大鵬や北の富士といった
往年の横綱は拳銃を所持していたということで
捕まったことも有るし、
男女ノ川という戦後の横綱については
浪費をしまくった挙句、浮浪者に近い形で
晩年を迎えたという信じがたい逸話が有る。
当時は相撲の神通力が今よりも数段上だった
ことから、こうした話題は今以上に
スキャンダラスな話題として語られたことは
想像に難くない。
何しろスポーツとして野球とプロレス、
そして柔道に並んで大衆の支持を得ていた、
いや、少年誌のグラビアをイエローキャブではなく
横綱が席巻していたそんな時代である。
映画館で若乃花物語を上映していた、
そんな時代である。
輪島と貴乃花が資生堂のCMに出ていた、
そんな時代である。
だが、今はどうだろうか。
相撲取りのスキャンダラスな部分、
粗暴な部分、そして頭が足りない部分が
フォーカスされているのだ。
曙であれば格闘技参戦、
貴乃花であれば洗脳疑惑、
朝青龍であれば八百長に暴行疑惑、
といった具合である。
リスペクトが失われた結果、
相撲取りの悪しき部分だけが抜き出されて、
そこに残るのは批判しかされようの無い
事実だけなのだ。
だが、ここで疑問が残る。
そもそも相撲は10年前までは若貴が現役で、
他のスポーツに方を並べるほど人気が有った。
しかし、この10年で相撲の位置付けは
このようなところまで失墜してしまった。
何故相撲はこの短期間でここまで地位を
落してしまったのか?
そして相撲は失地回復することが出来るのだろうか?
私はこの疑問に対して考えてみた。
すると、一つの答えが見えてきたのである。
続く。