幕下相撲啓蒙月間:幕下力士・吐合の5月場所を通じて、幕下相撲を知る。1日目:豊後錦(後編)

幕下相撲とは、何者かに成ろうとする男達の
最後の試練の場である。
人生するかしないかの瀬戸際で、
することを選んだ120人のロッキー達が、
勝つことでしか自己表現できない世界で
己の全てを賭けて闘う。
そこには人間らしい弱さも有る。
その大部分が挫折して辞めていく現状も有る。
だからこそ、私はそこに惹かれる。
幕下相撲とは、私達なのである。
当ブログをご存知の方であれば
恐らく誰もがご存知の吐合(はきあい)。
今場所はそんな吐合の対戦結果を通じて
幕下相撲の魅力に迫ろうと思う。
初日の相手は、豊後錦。
特技は早食い、好きな車はトラックで、
アイドルソングを聴く、どこにでも居る青年。


元エリートVS等身大の若者。
前回も書いたように、距離を取り、
素早い攻めで押し出すことが
小兵力士の吐合には求められる対戦である。
見所は、吐合がどのように捕まらずに先手を取り、
攻め続けられるか。
攻め続けなければ、捕まってしまう。
攻め続けなくては土俵際で残されてしまい、
引き落としに遭ってしまう。
速攻での崩しが出来るか。
立ち合い。
体格の良い豊後錦がやや勝る。
跳ね返される吐合。
態勢を入れ替えて角度を付けて突き押しに掛かる。
しかし、相手のリーチが勝り、劣勢になる。
土俵際に追いつめられる吐合。ピンチ。
その刹那、豊後錦をいなし、逆にチャンスを生み出す。
もうひと押し。
が、次の一手が一瞬豊後錦の方が早い。
豊後錦の突っ張りが吐合を捕える。
押される吐合。
土俵中央で踏み留まる吐合。
何とか前に進み、反撃の糸口を見つけようとする。
それは、豊後錦の手だった。
攻めに転じる吐合を絶妙のタイミングで引く。
崩れ落ちる吐合。
豊後錦の勝利。
全てが豊後錦ペースで進んだ一番だった。
途中のいなしはさすが元学生横綱という技術だったが、
完全に豊後錦の間合いを崩すことが出来なかった。
間合いが命の吐合が、間合いを制されると
打つ手が無い。
こうした力士を相手にどう挑むか、ということが
永遠の課題である。
古傷の膝はどうなのか。
北の湖部屋の稽古に訪れた時は
あれほど動いていたのだが、気掛かりだ。
続く。
◆補足
先日の稽古見学の結果、北の湖部屋に思い入れを抱き過ぎて
彼らの結果を追い掛けたが、幕下三段目は壊滅状態。
ナイスガイ一心龍、討ち死に。
腕立て500回大露羅、討ち死に。
最年長天一、討ち死に。
加えて吐合も、討ち死に。
大丈夫か?
俺たちの北の湖部屋…
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◆お知らせ◆
吐合Tシャツ完成間近です。
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