学生エリートと幕下相撲。
幕下には4タイプの力士が存在する、
という話は前回の項で説明した。
存在的には外国人力士はトリッキーなので、
2度と見られないインパクトを残してくれる。
漫画の世界とは異なり、このトリッキーファイターは
使い捨てになることは無い。
そう。
腕が4本になる天津飯や、
相手のエースをぶっ壊す、エースキラー南のように。
そう考えると、漫画の世界で例えると
正統派とも言える、幕下相撲の第二の存在について
今回は触れようと思う。
2.学生相撲のエリート
大学を卒業し、22歳でデビューする。
その多くが小学校の頃から
わんぱく大相撲
という恥ずかしい名前の大会に出て
トロフィーを獲得しまくるエリートである。
ただ、エリートとは聞こえがいいが、
子供の頃の写真がお宝的に出ると
一家全員がデブで、
リアルの生活が充実しているようには
到底見えない、そんな存在なのだ。
未成年なのに成人病
という内山くんの持ちギャグを、
かなりの割合が通る。
さて、彼らにとって相撲とはアイデンティティを
発露する場であり、わんぱく相撲、中学相撲を経て
推薦で高校大学と進学していく。
大学出身と言えばエリートに聞こえるかもしれないが、
ここではっきりさせておきたい事実が有る。
日本人横綱の大部分は、中卒だということである。
そしてもう一つ。
学生出身の横綱は、輪島只一人である。
学生相撲出身のエリートは
その経験故に引き出しが多く、
対応力にかけては外国人力士の比較にならない。
総合力を数値化すれば、
非常にキレイな6角形を描くことになるはずだ。
だが、彼らが伸びないのには決定的な理由がある。
そう。
自分より弱い相手との戦いに慣れ過ぎてしまっているのである。
22歳までに自分より強い人間にしごかれるという
理不尽にして強烈に「強くなりたい!」と思う機会を
中卒力士と比べると7年も喪失することは
力士としての能力に致命的な開きを生じさせる。
どこまで行っても、方程式で解くことを覚えてしまっては
限界まで自らを追い込むことはできない。
だからこそ学生出身の力士は
最高に成功しても大関、大抵のエリートは前頭の
中段でウロウロすることになるわけである。
だが、そんな彼らの完成度は
幕下の中では非常に洗練されており、
圧倒する機会も多いので「おっ!」と思わされる機会も多い。
原石の中に既に光り輝く存在が有れば、
そちらに目が行くのは至極当然のことである。
つまり、学生相撲出身のエリートとは
そういう存在なのである。
続く。
>学生エリート
私的に振り返って、世間的な話題性が抜群で、いわゆる「鳴り物入り」で入門した力士としては、先代の豊山、輪島・・・服部、久島あたりがすぐ頭にうかびます。
先代豊山はかなりの変人で、昭和53年5月場所のテレビの正面解説で、何が気に障ったか知らないが、アナウンサーの質問にブチ切れて、「いちいちそんなこと私に聞かないでください」と発言し、全国の視聴者を凍らせたエピソードを持つ。
輪島は・・・
・・・
面白そうなネタだから自分のブログに書いてみます。ただし、スポナビ編集者を「凍らせる」内容のブログを書くと、出入り禁止になりそうだから、お互いに気をつけましょうね。