高見盛(振分親方)のテレビ出演時の立ち位置に見る違和感。相撲の普及に必要な広報活動の在り方を考える。

最近、大相撲関連の広報活動が目覚ましい。
昨年後半から現役力士達がバラエティ番組などに
精力的に出演しており、その甲斐あって私の周りでも
一般知名度が徐々に向上しつつある。
舛ノ山を見れば、「あの20秒しか相撲取れない人」
大砂嵐を見れば、「ラマダンで大変な人」
といった具合である。
知らない=無関心という状態から
知ることによって見るという選択肢が出来つつある。
これは素晴らしい進歩である。
力士を知ったことがきっかけで相撲を見始める、
というのはよく有るパターンだ。
このケースに於いては場所中に必ず
国営放送で全国中継しているので、
他の競技と比べても大変恵まれていると言える。
メディア出演が、新規参入に向けて非常に
前向きな効果をもたらしていると思うのだが、
一つだけ懸念していることが有る。
そう。
高見盛である。


高見盛は相撲界随一の人気力士で、
唯一無二の特異なキャラクターに加えて
最近現役を退いたことも有り、
最近ではバラエティからスポーツ番組、
果てはトーク番組にまで活躍の場を拡げている。
高見盛は誰よりも出演機会が多く、
力士を身近に感じさせるのに一役買っている。
それは紛れもない事実だ。
だが、彼のテレビ出演時の立ち位置を考えてほしい。
ほぼ毎回彼の扱いはタレントで言えば
ジミー大西、スポーツ出身タレントで言えば具志堅・
ガッツ石松に酷似しているのである。
高見盛の抜けているところ、
コンバットREC氏の言葉を借りるならば
「完成度が高い中に見える、ほつれ」は確かに
彼を彩る大変重要な要素ではある。
あのようなキャラクターの人間は、
タレントでもスポーツ出身の有名人でも
どこにも存在しない。
唯一比較対象と成り得るのが
「さや侍」の野見さんだけなのだ。
番組作成者としてそこに飛びつきたくなるのはよく分かる。
真新しい個性が出てきたとしたら、
その面白さは非常に新鮮だからである。
最近であればキンタローや武井壮のような消耗のされ方。
果たしてこれで、本来の目的である相撲の普及は
成されるのだろうか?
単に誤解を与えるだけではないのか?
むしろ、力士のほつればかりが強調されて、
見下される対象に成り下がってしまうのではないか?
そもそもこのような存在を目の当たりにして、
相撲を身近に感じることになるのだろうか?
そして、相撲を観たいと思うだろうか?
我々相撲ファンは、高見盛の凄さをよく知っている。
死と隣り合わせの恐怖を感じながら、
その恐怖を振り払うためにあのパフォーマンスを
している重みを知っている。
だが、バラエティだけを見ると、その重みではなく
パフォーマンスの奇怪さ、即ちほつれだけが残ってしまう。
相撲界では昔からワジーとしての輪島や
しゃがれ声でCMに出る高見山といった、
力士のほつれに触れてきている。
だが、それは力士としての完成度を知っているからこそ
彼らのそんな姿に萌えられるわけである。
力士としての凄さを啓蒙しない状態で
特異なキャラクターだけ見せる行為は
馬鹿を馬鹿として放し飼いにすることに他ならない。
だが、そもそも力士を手早く見るチャンスを
与えてくれること自体が幸運なのではないだろうか?
高見盛を見ることは直接的に相撲を
見ることには繋がらないかもしれない。
しかし、相撲という競技を刷り込むことには繋がるし、
見るためのではなく、知るための第一歩という捉え方も出来る。
ちょっとした誤解は、相撲そのものを観れば
すぐに解けることでもある。
そう考えると強ち悪いことばかりでもない。
だからといって、玩具にすることを肯定するわけでもないが…
これからも私は、高見盛がテレビに出ると
嬉しさと、不満と、危うさと、そして期待を胸に抱くことになる。
例の皿でカルパッチョを食べながらも、
やはり同じことを思うことだろう。
◆お知らせ:謝罪◆
昨日パソコンが壊れた関係で、
頂いたメールが全て見られなくなりました。
別のパソコンを急きょ購入し、現在作業への影響は有りません。
横審審議委員会につきましては
記事をまとめているところだったのですが、
復元することが出来ず、コメント欄で頂いた
ご意見を元にこれからエントリーいたします。
メールしていただいた皆様、大変申し訳ありません。
今後は外付けのハードディスクを購入するなど、
バックアップ体制を組んだうえで対応いたします。
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高見盛(振分親方)のテレビ出演時の立ち位置に見る違和感。相撲の普及に必要な広報活動の在り方を考える。” に対して1件のコメントがあります。

  1. きしめん より:

    私も、振分親方とキャラが被るので、人ごとではないです。
    親方が貴く思われ、記憶に残る扱われ方であってほしいものです!
    キャラがどうであれ、三役まで出世し、右四つひとつで36歳まで取り続けたのは、人一倍の血と汗の滲む努力以外何物でもありません。

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