【結果報告】横綱審議委員会審議委員会 10勝5敗の日馬富士に対する厳しい声。横綱としてのこの成績をどう思うか。
7月場所終了後に、横綱審議委員会審議委員会として
皆様にアンケートを取りました。
パソコンが壊れたことも有り、
復元可能な範囲で収集しましたが、
全部を拾い上げることができませんでした。
申し訳ありません。
そして、ここまで時間が掛かりましたことも、
重ねてお詫びいたします。
さて、今回のお題を振り返りますと以下の通りです。
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◆問1:
日馬富士が今場所10勝5敗でした。
この成績に批判の声も上がっています。
時に好成績、時に1ケタという現在の日馬富士の成績は
横綱としてふさわしいと思いますか?
また、その理由をお聞かせください。
◆問2:
あなたが考える、横綱として合格点だと思われる
成績のラインを教えてください。
◆問3:
名古屋場所で一番記憶に残った取組を教えてください。
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これについて皆様の回答をまとめました。
◆問1:*******************************
日馬富士が今場所10勝5敗でした。
この成績に批判の声も上がっています。
時に好成績、時に1ケタという現在の日馬富士の成績は
横綱としてふさわしいと思いますか?
また、その理由をお聞かせください。
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この質問に対する回答として、一番多かったのは
不満であるということ。
キーワードとして「安定感」「格下に敗戦」が共通して
出てきています。
勝率が低く、安定感が無いこともさることながら
関脇小結、加えて平幕にも敗れるという
横綱としての格を落としかねない敗戦が多いことについて
不満に感じている方が多いことが分かりました。
また、意見の中で興味深いものとしては
そもそも横綱に成績を問うのはリスペクトが足りない、
ということや
白鵬という稀代の横綱が君臨しているために
客観的な判断を下しにくい、ということ、
また、データ的には0.72という勝率は
さほど低くないという立証結果を出された方もいらっしゃいました。
人によって横綱に求める視点が異なり、
またそれによって是か非か異なると分かりました。
横綱審議委員会に求めたいのは、そういう意味では
明確なライン設定なのかもしれません。
今のままでは各々が各々の尺度で是非を問う
スパイラルからは抜けられませんので。
ただ、そうなると困るのは弾力性の有る判断が出来ず、
把瑠都の引退のように、基準を下回ったために
逸材を追い込みかねないということです。
だからこそ、グレーであることもまた、
選択肢の一つだと言えます。
◆問2:*******************************
あなたが考える、横綱として合格点だと思われる
成績のラインを教えてください。
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キーワードとしては、「優勝争い」「安定感」が挙げられました。
1場所での勝利数で言うと少なくても11勝、大抵の場合は
12勝という水準をみなさん設定されていました。
優勝ということで言うと、年に1~2回の優勝回数を
具体的に提示された方が大多数でした。
ちなみにこれは過去の横綱からするとかなり高い設定です。
以前、「横綱に求められる成績とは?」という
内容の記事を書いた際にデータ検証をしました。
比較的横綱として優秀な部類である、輪島、北勝海、
曙、武蔵丸の全盛期の成績を平均化したときに
割り出された成績というのが、正に12勝、年間優勝2回という結果でした。
そもそも我々が横綱に求めている成績の水準は
かなり高い、ということが立証されます。
こうした数値的な部分を考慮したうえで、
今一度我々はどこまで求めていくべきなのかを考える必要が
有るのかもしれません。
◆問3:*******************************
名古屋場所で一番記憶に残った取組を教えてください。
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①白鵬 – 稀勢の里
②琴奨菊 – 稀勢の里
③遠藤 – 豊真将
④遠藤 – 大砂嵐
⑤白鵬 – 鶴竜
という結果でした。
特に1位の白鵬 – 稀勢の里が7割以上を獲得しています。
ここから、皆さんの興味が白鵬・稀勢の里・遠藤に集中している
ということが分かりました。
期待値以上の相撲が今のところ取れているのは
この3人、ということですね。
逆に考えると、この3人を中心にした相撲しか
出てこないということは、ほかの力士に対する期待値と
結果が伴ってきていないとも言えます。
今場所は、どうでしょうか?
白鵬が全勝、稀勢の里が1敗。
その傾向は今のところ変わっていないようです。
他の力士の奮起に期待したいです。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
9月場所終了後も、また実施したします。
◇特報◇
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日時場所は未定ですが、参加ご希望の方はプロフィール欄を
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◇特報2◇
明日、国技館に観戦に参ります。
全体としては、落ち着くところに落ち着いたのかな、と言ったら変ですが、「そんなところだよなあ」という感想です。一方で、自分のコメントを読み返すと、やっぱりちょっと甘いのかなぁ、とも思いました。
もう一つ思った事は、過去のデータを検証する事は出来ても、我々が求める横綱像と言うのは、そう簡単に変わるものではない、ということではないでしょうか。
マスメディアが分析をすれば、少しは人々の見方に影響を与えるかもしれない。しかし、数字を分析したとしても、審判部長や横綱審議委員の発言、或いはマスメディアの口ぶりの方が、我々の持つ横綱像に対する影響力が大きい、と言う事は確認できるようにも思います。勝ち負けや強さと言うのは、ある程度相対的なものですし、対抗馬の存在など、考慮すべき要素が少なくないのも、その理由ではありましょう。
一方で、今回の記事を読んで一つ調べてみたいデータも出てきました。
「横綱1年目における勝ち星の数」です。今場所が終われば、日馬富士の横綱1年目が終わります。ここで過去の横綱や白鵬との比較をしてみたら何か仮説がたてられるかもしれないと思うのです。
長文乱文失礼しました。
※以下は先日不具合で一度削除されたコメントです。
いつも楽しく拝見致しております。初めてご連絡させて頂きました。大相撲だけに留まらず、野球・ボクシングもこよなく愛している為、この様なネ-ムでご容赦下さい。日馬富士関の10勝5敗ですが、やはり物足りなさを感じております。他からの引用デ-タで恐縮ですが、現役力士は独自に計算し直したので、7月場所迄の数値になります。又これは横綱昇進後だけではなく、大関昇進後から引退迄のデ-タになります。
双羽黒 平均10.78勝
若乃花Ⅲ 平均10.71勝
日馬富士 平均10.23勝
稀勢の里 平均10.50勝
大鵬 平均12.75勝
北の湖 平均12.16勝
千代の富士平均12.72勝
貴ノ花Ⅱ 平均12.25勝
朝青龍 平均12.50勝
白鵬 平均13.18勝
以上が何かと比較される横綱・大関だと思います。
現役で今が絶頂期の白鵬・急な引退の双羽黒・朝青龍を除くと、晩年に負けがこんで不戦敗が多かった力士でもこの数字です。又これには大関時代の成績も含まれています。そういった観点からするとやはり平均12勝は現時点で必要ではないでしょうか?
晩年が近づくと1勝2敗で翌日不戦敗の場所も出てくると予想されます。全勝優勝が三度あり、優勝回数五度を数える横綱が優勝未経験の大関より平均成績が悪いのは、いただけないと思います。
>ラドルージさん
そうですね。
結局数字で分析したところで、
観ている方の意識を変えられなければ
横綱に対して要求する水準に変化はもたらせられない。
だからこそこうしてブログを書き、
少しでもそのズレを改めたいのです。
読み手が少しでも意識を改め、メディアの意見に対しても
いやいや、と言える状態になれば、メディアが逆に
こちら側に来るのではないかなと。
横綱の1年目の成績は、そういえば1年位前に
日馬富士が横綱になりたての時に一度分析してますよ。
かなり面白い結果が出ていましたので、
自分でももう一度読み返してみますね。
> 剛球仮面さん
コメントありがとうございます。
優秀な横綱と、短命横綱との成績比較ですね。
平均化するとやはり12勝という数字が出てきますね。
成績に不満の無い横綱の水準ってやはりそこなんですよね。
これほど成績にムラの有る横綱も稀なので、
それに対して画一的な水準を算出することが
果たして妥当なのか否か、ということも含めて
考えて居ねばならないところです。
だから、こういう議論は難しく、
答えが出ないんですよね。