気になる元力士の店に行ってみた。第一回:清瀬海の店「スナック愛」編。Part2

元力士の店というのは、興味は有っても
力士時代の残像が有るために
様々な感情が邪魔をして、なかなか足を運ぶには至らない。
そこで、私は元力士の店の知られざる実態を
解明すべく、立ち上がった。
第一回目は、あの清瀬海の店
「スナック愛」。
覚悟を決めて行ってはみたが、錦糸町のその店は
固く扉が閉ざされており、それはまるで
ファンと元力士の店の壁のメタファーのようだった。
だが、壁が出来れば高飛び込みのように、
なかなか飛び込めなくなることが予想される。
私は、躊躇すると同時に扉を開けた。
すると、そこには清瀬海が居た。


ドアを開けると、そこには清瀬海。
トンネルを抜けると、そこは雪国のような非日常が
錦糸町の雑居ビルには展開されていた。
オープン間もない時間ということも有って、
私が最初の客のようだ。
だが、清瀬海の様子が少しおかしい。
その様子を推し量る私。
どうやら私が何者なのかがあまりよく分かっていないらしい。
しかし、結局清瀬海が何を困惑しているのかがイマイチ見えないので
とりあえず挨拶をする。
元関取との初めての対面。
私を見て、困惑する清瀬海。
それに対して、困惑する私。
何という空間だろうか。
尊敬の対象でしかない元力士が、自分と同じ土俵で
コミュニケーションを取っている。
そのこと自体、とんでもないことである。
あまりの非日常についていけない私。
ちなみに、ドアを開けてから二人が困惑するまでの間は、約0.5秒。
様々な感情が蠢く中、困惑していた清瀬海の表情がぱっと穏やかになった。
「あ、お客さんだったんですね。てっきり業者の方かと思いましたよ。」
そうか。
この人は、私が何者かが分かっていないというのは認識できたが
客だということを理解できていなかったのか。
単にコミュニケーションロスが発生しているだけだったことが分かり、
変な空気が一気に解消された。
そこから清瀬海は、店のシステムを説明する。
正直、その辺りのことはよく覚えていないし、
何とかこの非日常についていくだけで精一杯だった。
とりあえず清瀬海の薦める料金プランで了解し、酒を酌み交わす。
他の方が来店し、話の流れで先週の尾車親方を励ます
ダンスの番組を観ることになった。
尾車部屋の面々の微笑ましい光景に、
声を挙げて笑う清瀬海。
そこには、力士の持つ張りつめた緊張感や怖さは無く、
一人間としての市原孝行が存在していた。
それもその筈。
清瀬海さんは、私よりも4歳下なのである。
力士は、土俵上では特別な存在かもしれない。
一日一日が生存競争の、厳しすぎる社会かもしれない。
だが土俵を下りれば、彼は普通の青年なのだ。
これがあの、学生力士特有の上手さを武器に
関取の座を守ってきた清瀬海という男なのか。
イメージとは異なるが、私が今まで思ってきた以上に
力士というのは普通の人間なのかもしれない。
「『いっちゃん』って呼んでくれればいいですよ。」
そんな私の心を察したかのように、清瀬海さんは言うのだった。
続く。
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