日馬富士暴行疑惑に、厳しい処分を求める理由。

寝耳に水とは、正にこのことだ。
日馬富士が、貴ノ岩をビール瓶で殴ったというのだ。
怒りというより、困惑。
困惑というより、動揺。
それが、この不祥事疑惑に対する私の印象だ。
まずは事実関係を究明してほしい。ただ、これだけのことが表沙汰になった以上、事実無根ということは恐らく無いだろう。
問題は、この後の処分ということになる。
一日馬富士ファンとしては、寛大な処分を求めたい一方で、相撲ファンとして、相撲ライターとしては一般人にも届く程度の処分を求めざるを得ない。
言うまでもなく、日馬富士は人気低迷期の大相撲を支え続けた横綱だ。小さな体で全身全霊という言葉に相応しい相撲と生き様を見せ続けてきた。その生き方を象徴するのが、先の9月場所の優勝だった。
怪我人が続出する中で、自身も不調に喘ぐ中でも、彼は出場することを選び、最高の結果をもたらした。あの15日間を私は忘れることは無いと思う。それだけ素晴らしい精神性と、力士としての強さを2ヶ月前日馬富士は見せてくれた。
だからこそ、その対極にある今回の暴行事件は罰せられねばならない。
数年前にああいう問題が起きた。力士たちは目の前の力士との闘いではなく、世間の好奇の眼差しとの闘いを求められた。そして、地道な努力の甲斐あって、大相撲は信頼を回復した。
そういう生き様が共感を得たからこそ、あの時の不祥事は許された。一人一人の力士、親方、協会関係者の弛まぬ努力の賜物と言えるのが、一年で最も観客動員の厳しい九州場所2日目の満員御礼という結果だ。
そういう大相撲の信頼、相撲に関わる全ての人間が積み重ねてきた信頼を一瞬にして壊しかねない、いや、壊してしまう事件を起こしたことになってしまうのだ。
日馬富士が与えてくれたものは、計り知れない。
だが、今回のことが事実であれば、壊したものも計り知れないのである。
まずは、真相の究明を。
そして、信じたくはないがこれが事実であれば、相応の裁きを求めたい。
寛大な処分は、本人のためにも大相撲のためにもならない。それを一番わかっているのは、他ならぬ日馬富士自身なのだから。
◆トークライブのお知らせ◆
12月2日18時より錦糸町丸井のすみだ産業会館でトークライブ「第4回幕内相撲の知ってるつもり⁉︎」を開催します。今回のテーマは「数字で振り返る、2017年の大相撲」です。今回は土曜日に行いますので、普段来られない皆様もふるってご参加ください。お待ちしております。
なお、参加ご希望の方は以下の予約サイトよりご登録下さい。
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