最も大関に迫った力士は誰か?個性派力士の中から検証する。後編 part1
最強大関は誰か?という記事を書いたが、
相撲ファンの中ではそれと同様に盛り上がるトピックが有る。
最も大関に迫った力士は誰か?
ということである。
大関に成れる力が有りながら、届かなかった。
チャンスは有ったが、逃してしまった。
関脇に長く君臨しながらも、
3場所続けての成績は残せなかった。
関脇在位期間の勝率は大関よりも高いのに、
勝負の1場所でやらかしてしまった。
今回は、大関獲りを経験した6力士を
様々な観点から採点し、最終的に
「最も大関に迫った力士」を決定したいと思う。
その候補者は以下の通り。
琴錦
長谷川
若の里
貴闘力
安芸ノ島
栃赤城
しかし、この顔触れを見て思うことが有るはずだ。
例えば、貴闘力と安芸ノ島は二子山部屋であり、
横綱大関との直接対決が極めて少ない。
琴錦も比較的上位陣との対戦が多い力士である。
だが、反面で佐渡ヶ嶽部屋勢との対決が多いため、
星の潰し合いは回避している。
若の里については朝青龍が本格化する前で、
大関陣との差があまり無い時期である。
時期や所属部屋の差によって結果が不公平なのは
ある程度仕方が無いことだが、
外部的要因を平等にすることは条件次第で可能ではある。
そこで、今回は力士を評価するための要素を
手広く採り入れ、一つ一つの要素について
傑出度が高い場合は高く採点しようと思う。
◆要因その1:安定感
・関脇での勝ち越し率
・関脇在位時通算勝率
・関脇在位時対関脇以下勝率
・関脇連続在位場所数
・関脇返り咲き場所数
・関脇在位時休場場所数
◆要因その2:爆発力
・3場所最多勝利数(前頭筆頭以上での在位時)
・大関獲り挑戦回数(前2場所での勝利数:21勝以上)
・関脇在位時対横綱勝率
・関脇在位時対大関勝率
・関脇在位時2ケタ勝利場所数
これらの要因を選んだのは、安定感と
爆発力は大関獲りには欠かせない条件だからである。
安定感が無ければ大関獲りに向けて関脇としての
地位を固めることが出来ないし、
大関獲りに必要な33勝以上という傑出した成績を
短期間で挙げるには爆発力を評価する必要があるからである。
横綱との対戦実績が少なく、
且つ曙との相性が抜群の貴闘力の爆発力と
大鵬柏戸から北の富士輪島との対戦を余儀なくされた
長谷川の爆発力を出来るだけ等しく評価すべく、
一口に爆発力と言っても様々な要因を設けている。
こうすることで長谷川が強豪横綱との対決が多くても
大受や大麒麟といった比較的勝率の低い大関との対戦実績が
多いために対大関勝率では他の力士よりも有利になる。
このように、要素を増やすことは
各自が固有に抱える有利・不利な要因をある程度
中和できるので、ある程度客観的な結果を導きやすいのである。
前置きが長くなったが、いよいよ結果発表である。
次回決着。