稽古に1度しか行ったことの無い私と6名が見学に行ったら、予期せず尾車部屋に到着していた。前編。
300万アクセス記念企画ということで、
稽古見学についてFacebookで募集し、人数を限定して
観に行くことにしていた。
そして、9月7日はその当日。
前もって約束を取り付け、その部屋を訪ねるも
まさかの「稽古はやってないんですよ。」
途方に暮れる中、近くの部屋を回っていたところ
偶然にも尾車部屋の稽古に出くわした。
これまた偶然通りかかった関係者の方に
ダメ元で交渉してみたところ、あっさりOK。
そして、一同は部屋に入っていったのだった。
靴をいつも以上に綺麗に整えていると、
部屋の関係者の方から、
「今日は連合稽古に出ているから、
関取衆は居ないんですよ。」
との言葉を聞く。
豪風も、嘉風も居ない。
残念ではあるがいきなり押し掛けた手前、
もうそんなことはどうでもいい。
この機会を与えてくれたことに対して、
ただ感謝しているのである。
座敷には、親方は居ない。
力士は、全部で6人。
当然、全員黒い廻しである。
私達7人は座布団を片手に、座敷に腰を据える。
幕下を中心に見ているとはいえ、力士のことが
一目で分かるほど私は力士の姿かたちを記憶してはいない。
まずは、特徴を掴むために私はそれぞれの力士について
メモを取った。その特徴とは以下のとおりである。
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・1人目:デカい。ちょっと薄い。ベテラン?
・2人目:140キロくらい。琴奨菊系の体型。形は出来てる
・3人目:モンゴル人?形は出来ている
・4人目:若い。細い。自信なさそう
・5人目:若い。細い。生意気そう
・6人目:若い。新弟子?
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ちょうどその時、申し合いをしていたのだが
新弟子風と琴奨菊系の力士はあまり参加していない。
ベテランとモンゴル人。
そして、2名の細身の若手が主体の申し合いである。
形が出来ている同士の申し合いは、
さすがに攻防も素早く、力士然としている。
勝負がつくと、若手二人が手を挙げる。
自信無さそうな若手が、ベテランと対峙する。
立ち合いが少し遅い。
組んでもいい態勢がキープできない。
腰を伸ばして、どうにか廻しを取らせないことで
相手の攻めを回避する。
そんな中、何とか攻めようと前に出る。
直線的に攻める。
相手も交代する。
徳俵に足が掛かる。
だが、相手を崩せていないので、体を入れ替えられる。
もしくは、推進力を逆用されて、投げに屈してしまう。
勝てない。
殆ど勝てないのだ。
「ショータ!脇を閉めろ!」
「ショータ!押し返す!」
二人の先輩からゲキを受ける、
ショータという名前の彼。
申し合いは、基本的に彼を主体に進められる。
ベテランも、モンゴルも、彼の弱点を徹底的に攻める。
しかし、注意を受けたことがなかなか改善できない。
息が上がっても、甘えは許さない。
突き指をすると一瞬全員が心配したのだが
中指と薬指と分かると、稽古を続行する。
甘えは絶対に、許さない。
親方が居なくても、この部屋のカラーが少しずつ明らかになる。
徐々に余裕のなくなるショータ君。
だが、この稽古はこの後更に苛烈を極める。
続く。
◇特報◇
「幕下相撲の知られざる世界」では300万アクセス記念ということで
第二弾イベントとして9月28日にオフ会を開催します。
日時場所は未定ですが、参加ご希望の方はプロフィール欄を
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