何故日馬富士は、優勝と凡戦を繰り返すのか?力士の特徴を分ける、3つの資質を考えた。
日馬富士が、2日目に敗れた。
初日の勝ちが鮮やかだっただけに、非常に意外な結果だった。
考えてみると、彼は好調と不調を繰り返している。
不調の原因を、怪我に求める人が居るのだが、
私は予てよりそれが疑問だった。
そう。
日馬富士という力士は、怪我以前の理由で
不調に陥っていることが有ると感じるのだ。
怪我は確かにパフォーマンスを制限する一つの要因である。
だが、怪我は常につきもので、怪我を抱えていても
日馬富士の場合は怪我を上回る時が有る。
その理由は、一体なぜか。
ふと考えてみると、昔の記憶が蘇ってきた。
15年ほど前、私が高校生だった頃、
競馬好きの兄がよく読んでいた競馬雑誌で
非常に興味深い記述が有ったことを思い出した。
競走馬には、心身構造に3つの資質が有るというのだ。
その資質というのは、どれか一つに限定される
という訳では無く、3つの資質を持っているケースも有れば
一つが非常に強く出ていることも有る。
その3つの資質と、それぞれが強く出た力士について
評してみたい。
◆タイプ1:淡泊さ
自分のリズムで、自分の実力の範囲内でマイペースに
相撲を取り続ける力士。すなわち、
格下に滅法強いが、上位が相手だとなかなか勝てない。
特徴として、身体能力には優れているが
プレッシャーにはそれほど強くないタイプが多い。
現役:阿覧、臥牙丸、栃ノ心
過去:曙
他のスポーツ選手:ボブ・サップ
◆タイプ2:闘争心
気性が荒く、相手はともかく自分のリズムで
相撲を取るタイプ。
勝ち始めると手が付けられないが、一度リズムが狂うと
一気に崩れてしまうのが特徴。
現役:日馬富士
過去:貴闘力、朝青龍(後期)
他のスポーツ選手:ジェロム・レ・バンナ
◆タイプ3:集中力
他の力士との相関関係の中で、集中力を活かして取るタイプ。
ハードな環境に成れば成るほど集中力が研ぎ澄まされて
好結果が出るが、集中するまでにリズムが整わないと
成績が伴わないのが特徴。
現役:白鵬、妙義龍
過去:栃東
他のスポーツ選手:アーネスト・ホースト
とまぁ、こんなところである。
ちなみに稀勢の里は、淡泊さと集中力が強く出ているため
比較的下位の力士は苦にしない半面で
集中力が伴わない序盤でポカをやると場所全体を通じて
低調なパフォーマンスで終わるのだ。
ただし、集中力が強く出ると下位には取りこぼさず、
且つ日馬富士でも白鵬でもなぎ倒すのである。
だが、集中力に偏っている訳では無いので、
プレッシャーが集中を阻害するのか、
千秋楽に滅法弱いのもこれで説明が付く。
昔の記憶を掘り起こして書いてみた分析なので、
まだまだ煮詰められると感じている。
しかし、このようにして考えてみると、
力士を全く新しく捉えることが出来るのではないだろうか。
本棚を掘り返し、また別の機会にこの話をしてみたい。
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日馬富士は大関時代も全勝と8勝7敗を交互に繰り返す感じでしたね。
偶然全勝が連続で二つ来たので横綱になりましたが、横綱になっても特に何も変わっていない印象です。
理由は「軽量だから」だと思っておりました。