プレイバック初場所。特に印象深い相撲10選を紹介し、来場所以降の見所を考える。後編
初場所が終わってしまった。
相撲の無い1か月半をどう過ごすかは
相撲ファンの永遠の課題で、去年流行った
「あまロス」的な状態に陥る人間が多いらしい。
かく言う私もそれで、数字をいじってみたり
場所中は出来ない体当たりをしてみたりという期間になる。
しかし、よく考えてみると15日間も濃密な時間を
過ごすのだから、結構忘れていることも多い。
そこで、15日間の取組をもう一度振り返り、
ああこんなことも有ったのかと考えながら
来場所以降に何を求めるか、3月に想いを馳せてみようと思う。
今回は特に印象深かった取組を10選し、
そのポイントを挙げてみた。
今回は後編。5位から1位を紹介する。
◆05位:琴奨菊VS遠藤
琴奨菊は、力士人生の中で最大の危機。
大胸筋断裂など、私は聞いたことがない。
テーピング姿は痛々しく、序盤で2敗した時は
一体どうなることかと思った。
しかし、そこから着実に勝ち星を重ねる。
満身創痍の中、自分の相撲を取り続ける様は
これまでの琴奨菊には無い凄味を感じさせられた。
大関昇進以降、稀勢の里に対して意地を見せるなど、
局面局面でさすがという所は有ったが、
琴奨菊が場所を通じて存在感を発揮することは
残念ながら無かった。
そんな琴奨菊が、遠藤との対戦で格の違いを見せる。
大関とはこんなにも凄いのか。重いのか。
そういう一番でした。
◆04位:遠藤VS琴欧洲
もう一人の危機。
長く大関を務めた琴欧洲の落日。
見た目の印象のせいか、歳をあまり感じなかったが
2月でもう31歳である。
昇進が早かったことも有り、上位での在位年数も多く
それはつまり勤続疲労が蓄積されたことを意味する。
ここ3年で3回しか2桁勝利を収めていない
琴欧洲にとってこのハードルは想像以上に高かった。
序盤で負けが付き、5敗で迎えた遠藤戦。
上手を引いて、琴欧洲の体勢。
土俵際で投げを打つ。
だが、勝ったのは遠藤だった。
遠藤の凄さと、その引き立て役となってしまった琴欧洲。
時の流れは残酷である。
◆03位:里山VS高安
6年ぶりの幕内。
十両に落ちただけではなく、その4年間は
幕下に在籍していた里山。
一度落ちたらなかなか戻れないのが幕下であり、
十両であることは私が一番よく知っている。
幕下から幕内であれば、その間に実に32名もの力士が存在している。
つまり、32人抜きを果たさねばならない。
そういう試練を、里山は乗り越えてきた。
勝ち越しを、三賞を賭けた千秋楽。
若い高安を相手に粘って粘って自分の形を作り、
遂に倒したと思いきや、手が髷に掛かっており…
反則負けという非情の裁定。
誰もがその苦労を分かっている。
ハッピーエンドを期待していた矢先の決定は、物議を醸した。
納得がいかないところは有る。
だがこの1番で里山は、相撲ファンにその爪跡を残した。
時に理不尽な判定は、その力士を大きくすることも有る。
◆02位:白鵬VS鶴竜(本割)
今場所、大関の鶴竜が優勝を争うことになると
予想したファンは、いったい何人居ただろうか。
鶴竜が実力者であることは誰もが知っている。
だが、優勝争いとなると白鵬と日馬富士、そして稀勢の里しか
関わっていないのがトレンドであった。
怪我と不調で上位陣が崩れる中、
格下に取りこぼさずに勢いづき、
自分の相撲を取り切る。
千秋楽でも鶴竜は白鵬が相手でも、特別な相撲ではなく
初場所を勝ち続けた普段着の相撲を取る。
かくして、32戦30敗の天敵を打ち破ることに成功した。
これが、鶴竜らしさなのだと私は気付かされた。
◆01位:白鵬VS鶴竜(優勝決定戦)
本割で敗れた白鵬が、真の姿を見せる。
汗を拭かぬ白鵬は、鶴竜が勝ってきた相撲を一切取らせない。
結局、強いのは白鵬だった。
終わりと始まりが見える中で、
今年もまた主役は変わらない。
これを閉塞感と捉えるか、期待感と捉えるか。
観る人次第だと思う。
しかし、違う何かが少しずつ見えてきた。
そんな初場所だったと私は思う。
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