史上空前の三役以上不調場所で、チャンスを掴んだ鶴竜。当たり前を積み重ねることの難しさを考える。
・稀勢里: 7勝7敗 ※綱取り失敗。右足親指付根靱帯損傷
・琴奨菊: 8勝6敗 ※大胸筋断裂。
・琴欧洲: 8勝6敗 ※大関陥落場所。
・豪栄道: 7勝7敗 ※大関獲り再起場所。泥沼の不調
・妙義龍: 0勝4敗 ※5日目以降休場。
これが、今場所起きたことである。
上位がこれだけ満身創痍、不調を極めた場所というのは
私は他に類を見ない。
三役以上で2桁勝利が、なんと3人。
データを取らなければ分からないが、
このような場所は他に有るのだろうか。
これをだらしないと捉えるか、
不運と捉えるかはその人次第だろう。
だが、上位の力士達が揃って消耗し、
また不調だったということは、客観的事実である。
そして、今場所浮上したのが鶴竜である。
先場所はここまでではなかったが、
豪栄道は上位陣の怪我で千載一遇のチャンスを得た。
九州場所で13勝という成績を挙げた
稀勢の里はこの追い風も受けて初場所を迎えた。
だが、彼らはそのチャンスをモノにすることは無かった。
追い風が吹いていても、自分に負けては
全てをふいにしてしまうのだ。
そうした中で、鶴竜は13連勝で千秋楽を迎えた。
今まで9勝6敗を守り続けてきた力士が、である。
これから先、この場所を評価するときに
上で述べた事情から鶴竜の活躍に対して
疑問を呈する人間が現れるかもしれない。
が、稀勢の里の綱取り失敗を見ても
普段着の相撲を普段通りに取り続け、
当たり前を積み重ねることの難しさは衆人の知るところである。
恐らく来場所以降は同じように成績を挙げることは
難しいことが予想される。
誰もがコンディションを上げることは間違いなく、
鶴竜もそれに対応しなければならないからだ。
だからこそ、これは一世一代の大チャンスなのである。
鶴竜が将来引退する時、語られる場所であることは間違いない。
白鵬は、この14日の相手とは違う。
先の事情から、どの相手とも充実度が違う。
一世一代のチャンスを引き寄せるには、
史上最強に手を掛けつつある大横綱に勝たねばならない。
それも、2度も。
32戦、30敗。
これが白鵬に対する鶴竜の現実である。
しかし、これは今日までのことだ。
一生に一度の晴れ舞台を、固唾を飲んで見届けよう。
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日馬富士の休場も追い風でしたね