琴奨菊と琴欧洲の不調で試される、人間性の強さ。

九州場所が始まった。
注目は新横綱の日馬富士がどれだけの成績を上げるか
ということなのだが、初日の相撲を観る限りでは
ある程度の安定感は期待できるのではないかと感じた。
問題は、もう一つのポイント。
そう。
カド番大関3人のコンディションである。
ご存知の通り、カド番の中でも琴奨菊と琴欧洲に土が付いた。
序盤の敗戦というのはよく有ることで、
この結果をもってどうこうというのは
本来議論するべきではない。
それは重々承知した上で取組内容を確認してみたのだが、
正直その内容に危機感を覚えた。
二人とも、最悪の内容なのだ。


琴奨菊は彼の相撲の命である、
前への推進力が無く、足を止められた挙句
投げを食ってあっさり敗戦。
琴欧洲に関しては上手を取って
強引に寄るも、力で崩しきれないまま土俵際で
逆転の投げを食らい、敗戦。
大関の敗戦というのは大抵の場合は
取りこぼしか相手の形に付き合ってしまうことが
要因なのだが、今回は訳が違う。
琴奨菊は突進力、そして琴欧洲は力という
絶対的な武器が通用しないのだから、
一大事である。
実戦感覚が戻っていないからなのか、
それとも武器が鈍ってきているのか。
いずれにしても、今日の内容が続くようだとすると
8番勝つのはかなり難しいと言わざるを得ない。
こうした時に武器になるのが、
悪い時なりに勝ち抜くための引き出しである。
相手の形にしない。
強引に勝負を決めに行かない。
そして、自滅を誘う。
大関という地位は、それだけでも既に
アドバンテージである。
相手は大関を相手にすれば弱者の論理から
戦いを挑む。
既に追い込まれていることを考慮すると、
あとは相手の弱点を攻め立てれば良い。
カド番大関に、
果たしてこうした余裕が有るのだろうか。
不調に端を発する、勝者のメンタリティの喪失は
残りの14日間でどのように作用するのか。
そしてそんな時にこそ、人間的な強さが試される。
力士としてではなく、いち人間として
この試練にどう立ち向かうか。
優勝争いとはまた異なる、
人間味溢れるカド番大関の戦いが私は楽しみである。
【追記】
オフ会ですが、12月8日に
都内某所で実施予定です。
ご参加希望の方は、コメント欄もしくは
Twitterでメッセージ願います。

琴奨菊と琴欧洲の不調で試される、人間性の強さ。” に対して3件のコメントがあります。

  1. シリコン より:

    二人の取組の内容を見ましたがどちらも信じられない程あっさりと負けたのが気がかりです。これからどうなるかは分かりませんが、大関を陥落するのではないかという危機感を感じます。でも、記事を読んでこの状況からどう脱却するのかという期待も同時に湧いてきました。

  2. のん より:

    幕下相撲の知られざる世界。
    いつも興味深く読ませて頂いております。
    オフ会、近場でしたら参加してみたいです。

  3. Nihiljapk より:

    >シリコンさん
    初日を見たところとんでもない内容だったので
    かなり危惧していたのですが、
    琴奨菊と琴欧洲は軌道に乗って
    バルトが陥落という意外な結果に驚きを隠せません。
    初日に心配した二人については
    良い意味での裏切りだったので、この記事が
    逆神的な扱いをしていただければそれはそれで
    大丈夫です。

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