日馬富士5敗目に見る、横綱初場所で成績を上げることの難しさ。
日馬富士が5敗目を喫した。
横綱の成績として千秋楽を前にして
9勝5敗というのは寂しいと言わざるを得ない。
横綱とは相撲界の頂点であり、
おいそれと敗れることが許される立場ではないからだ。
中でも、大関以上の対戦で琴欧洲以外は
全敗というのもまた印象が悪い。
豪栄道すら大関にはもっと勝っているのだ。
こんな状況なので、当然日馬富士には
厳しい声が投げかけられる。
だが、ここで考えたいのが
新横綱にとって初めての場所は成績を
挙げにくいのではないか?ということである。
私の記憶の中では多くの力士が星を多く落とし、
そして苦言を呈されるというのが
いつもの流れであるように思う。
そこで私はデータを収集してみることにした。
過去40年の横綱初めての場所の成績は以下のとおりである。
力士 場所 成績
北の富士 昭和45年3月 13勝2敗
玉の海 昭和45年3月 13勝2敗
琴櫻 昭和48年3月 11勝4敗
輪島 昭和48年7月 11勝4敗
北の湖 昭和49年9月 11勝4敗
若乃花2 昭和53年7月 11勝4敗
三重ノ海 昭和54年9月 11勝4敗
千代の富士 昭和56年9月 1勝2敗12休
隆の里 昭和58年9月 15勝0敗 優勝
双羽黒 昭和61年9月 3勝4敗8休
北勝海 昭和62年7月 11勝4敗
大乃国 昭和62年11月 8勝7敗
旭富士 平成2年9月 13勝2敗
曙 平成5年3月 10勝5敗
貴乃花 平成7年1月 13勝2敗 優勝
若乃花3 平成10年7月 10勝5敗
武蔵丸 平成11年7月 12勝3敗
朝青龍 平成15年3月 10勝5敗
白鵬 平成19年7月 11勝4敗
概ね私の感覚値のとおりである。
40年間で優勝した力士は何と2名。
横綱審議委員が貸したノルマの13勝をクリアした
力士すら5名しか居ないというのが実情である。
中でも笑えるのが北の湖である。
4連敗はダメだ、という苦言を呈したそうだが
日馬富士が5敗したことが確定した後での
苦言だったわけで、自分よりも成績が
下になったからこそ厳しい発言をしているのではないか?
と悪意有る推測をせざるを得ない。
苦言を呈する立場だからこそ
注文を付けている、ということは判る。
だが、自らの経験から注文を付けられないことが
白日の元に晒されてしまうと威厳が無くなってしまう。
横綱に成ると様々なイベントに駆り出され、
稽古をする時間が無くなると言う。
それも含めて横綱の務めだと言えばそれまでだが、
加えて重圧も掛かることも考慮すると
最初の場所で成績を上げることの
難易度がいかに高いかということが分かる。
勿論この成績で良しとするわけではない。
問題は今後なのだ。
終わったことは仕方が無いし、
本領を発揮しづらい状況であることだけは
我々も理解する必要が有るだろう。
とりあえず、初の横綱対決は見ものである。
日馬富士は結局9勝6敗に終わりました。この成績では場所後視聴者や協会から厳しい批判が待っているでしょう。4連敗した後に「横綱の器ではない」というコメントも散見されました。しかし、新横綱の成績だけで日馬富士を評価するのはあまりにも早計だと思われます。今回の記事にもありますが昭和最後の大横綱千代の富士は新横綱で休場しています。他の横綱も新横綱の成績はおおむね10~11勝程度です。こういったことからも新横綱の成績だけでは日馬富士の実力は分かりません。ですから、視聴者や協会はは批判だけに留めず新横綱の場所で千秋楽まで取りきったことを労ってやることも大事だと思います。
新横綱場所は全般に低調とはいえ、年6場所制の下(初代若乃花以降)で新横綱で4連敗した者はいないということと、新横綱場所で皆勤で2桁勝てなかったのは大乃国と日馬富士だけなので、過去の横綱との比較で言っても悪い成績と言わざるを得ず、このくらい言われるのは仕方がないと思います。
北の湖自身は関脇昇進後は3連敗が最高で4連敗はしたことがなく、私としては、理事長の立場として白鵬とともに場所を引っ張って貰いたいとの期待を込めて新横綱に注文をつけることに対して違和感はありません。
日馬富士は横綱でも難しい2場所連続優勝をクリアして昇進したのだから当然綱を張る資格は十分だと思いますし、巻き返してもらいたいものです。
日馬富士はもともとむらっけのある力士であるし、
二場所連続の全勝優勝したとはいえ、その前の場所は8勝7敗。
書き方が悪いですが、今場所の実績は実力通りだと思っています。
来場所、勝ちたいばかりに以前の飛んだり逃げたりの取り組みをしないことを切に願っています。
皆さま
日馬富士は現状では良い時は良いが、
上手くいかないと悪いなりの成績を残せないという
弱点が克服できていないのだと思います。
現状の横綱昇進の条件が短期間で
優秀な成績を残すことなのですから
致し方無い結果とも思いますが、
横綱として昇進した=横綱としての結果が求められる
ということですので、早くこの点を克服してほしい。
私は別にムラの有る横綱というのもアリだと思うのですが
残念ながら品格という言葉を用いるようになってから
横綱に対する要求は過酷になっています。
結局は日馬富士が結果を残すことなのかな、
と思います。