誰も見ない土俵で紡がれるストーリー。

1月までBSで1時から中継をしていた大相撲。
3段目の上位から始まり、幕下をたっぷり1時間半も
放映するのだが、本来相撲というのは
こんなに下位から観るものではない。
それ故、土俵外に目をやれば、観客は
ほぼ居ない。
たまに居る客はと言えば、飯を食ってるか
パンフレットを観ているか、
芸者と乳繰り合ってるかである。


会場がそんな有様なので、
当然この時間の視聴率はと言えば
実写版こち亀が比較の対象となるレベルである。
そもそも相撲取り自体がマイナーな存在に
転落しつつある現状の中で、
知らん者同士が低レベルな戦いをしている様など、
一体誰が観るというのか?
恐らく誰もがそう思い、
チャンネルをNHK BSに合わせても、
活気の無い土俵が映し出された瞬間に
もう次の瞬間に
韓国ドラマ
を映し出し、
そして同じ速度でテレビショッピングに
切り替えるのである。
誰もがこのような有様なので、
今まで語られることの無かった幕下相撲。
だが、私は吐合だけを目当てに
幕下相撲を観るようになった。
吐合自体が十両には届かない実力しか
持ちえないので、そんな吐合と対等に渡り合う連中
というのもせいぜいその程度の実力なので、
二人が作り出す取組というのも、
その程度のレベルに落ち着いてしまう。
私はこのレベルの相撲のことを無条件に
つまらないもの、取るに足らないものだとばかり
考えていた。
活気は無い。
観客すら誰も観ていない。
行事の声が空しく響き過ぎる。
だが、このような相撲を観察すると、
実は幕下でしか観ることが出来ない
信じられない光景に出くわすことが非常に多い。
例えばまわしを両手で取り、もろ差しの体勢になる。
普通は貴ノ浪でもない限りは
この体勢に入るということは
チョークスリーパーが入るくらい
絶望的な状況であることを意味する。
相手は100%力を推進力に換えられる体勢。
そして自分は腰が伸びきって力を出すことが
まず出来ない体勢。
だが、このような絶対有利の体勢すらも
幕下ではアドバンテージとならず、
気が付くと逆転しているということも多々有る。
拙いからこそ展開される、
目を疑う光景の数々。
塩を撒くなどしないまま、
取組が相当数短期間に行われるので、
普段見ている相撲の定規では解明できない
謎の結果が次から次へと産み出される。
これは一体どういうことなのか?
そんな謎を解明するために、私は幕下相撲を見続けた。
そして、幕下を構成する力士の特徴を
4タイプに分類することが出来ることに気付いた。
続く。

誰も見ない土俵で紡がれるストーリー。” に対して1件のコメントがあります。

  1. 豆腐 より:

    はじめまして。
    吐合さん、幕下に帰っていたんですね。ケガなくがんばってほしいです。
    幕下以下には変わった四股名の人がいますよね。大魔王(引退してます)が一番インパクトありました。また、幕下ならではの取組と思ったのが、朱雀vs白虎ですね。
    長文失礼しました。
    これからもよろしくお願いします。

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