外国人力士と幕下相撲。

幕下相撲は、十両や幕内の常識が通用しない。
幕下には幕下の論理があり、
その超然とした論理が土俵上で展開されると
熱心な観客(今のところ私だけ)は衝撃を受ける。
幕下独自の相撲が展開される理由について
勝ち越しと負け越しを交互に繰り返す
吐合を追う段階でそれとなく分析してみた。
すると、幕下の力士が4タイプに分けられる
ということに気付いた。


1.外国人エリート
最近の傾向ではモンゴル人が非常に多く、
琴欧州や黒海の影響からか東欧系の
力士も多く見られるようになった。
ちなみに昔あれほど隆盛を極めた
ポリネシア系は絶滅寸前、いや
既に絶滅してしまっている。
うちの母曰く、南方系だと貧乏でも
タロイモは食えるから
ストイックに成りきれない
という超絶理論を展開しているが、
真偽の程は定かでない。
ポリネシアにしてもモンゴルにしても
東欧にしても共通しているのは
身体能力が非常に高いということである。
スピードやパワーという
非常に原始的な手段を前面に出し、
自分の形に持ち込んで圧倒する。
三段目までであればこのスタイルで
大抵の底辺日本人力士を駆逐することは可能である。
そう。
三段目までであれば。
だが、幕下になるとこれだけでは通用しない。
相撲巧者が彼らの形を出させない。
より性能の高い外国人が能力の違いを見せる。
彼らが優位に立てるのはあくまでも
自分の形を出した時だけ。
つまり、幕下に入ると彼らは
相撲を覚える必要性に迫られるわけである。
ちなみにかつて様々な外国人力士が
デビューしているが、武蔵丸を除く
全ての力士が幕下で負け越しを経験している。
ここからが本当の勝負で、
幕下での経験を経て大きくなる者と
そのまま停滞してしまう者とに別れてしまう。
幕下中位から上位に掛けての
外国人比率は浜松市並
というところまで来ているのだが、
壁を破って相撲に順応している者よりも
身体能力で解決する集団から抜け出せない
外国人の方が観ている分には面白いのは
何とも皮肉なことである。
土俵際での意味不明な逆転。
考えられないような大ポカ。
私が一度目撃したのは、
背後を取られたとある力士が土俵際で
押し出されそうになった際に体を入れ替えた。
これだけでも非常事態なのだが、
背後を取ったその力士は
バックドロップ
を決めて勝利してしまう。
これこそ彼らの醍醐味であり、
私が幕下相撲を追いかける理由である。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)