相撲部屋はどのような状況か、6タイプにカテゴライズしてみた

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幕内の勢力図を見て新たな発見があった

昨日は伊勢ケ浜部屋の幕内力士が多いということから、現在の勢力図をまとめる記事を発表しました。

面白いのが伊勢ケ浜部屋が一強で、他の部屋はそれに比肩する存在にはなっていないということ、そしてもう一つはそもそも幕内力士が25部屋に点在しているということでした。

つまり、強い部屋と弱い部屋という構図ではなく、まんべんなく強い力士が存在するというのが現在のトレンドだというのです。

今は強い部屋で同部屋内のライバルを作ったり、上位でアシストするという昔よく聞いていたような形ではないというのは興味深い発見だったように思います。

そしてそれらを見ながら感じたのは、それぞれの部屋がどのような状況なのか少し調べてみたいということでした。

これはとても面白かったのですが、現在関取が多い部屋であっても中長期的に見れば課題があるというケースもありますし、これから勢いが出てきそうな部屋も見られたということでした。

そんなわけで今回はそれぞれの部屋の状況分析をお届けします。

層の厚い部屋について

まずは関取の数も多く、比較的層が厚く、広い世代で活躍している部屋を紹介します。

ここでピックアップした部屋が面白いのは、上位で活躍している力士が在籍しているところにあるように思います。

熱海富士と尊富士。

琴櫻と琴勝峰。

豊昇龍と明生。

そして大波兄弟。

確かに最近では失われつつあるとはいえ、充実している部屋にはこのように競争の原理が働いているということです。

このように、コンスタントに関取を輩出して看板力士と次世代力士が共存するという形が理想ですので、キチンと良い部屋が並んだように思います。

高田川部屋に関しては関取の育成という意味では一定の結果を残していますが、もっとやれそうな力士が多いのが特徴であるように感じます。ここに出てきた他の部屋とは少し色合いが異なるんですよね。(輝がそう思わせるのかもしれませんが・・・)

では次です。

関取が複数居て、さらなる拡充を目指す部屋というカテゴリです。

こう見ると、部屋としての地力があり、力士数もそれなりに抱えている部屋が出てきているように見受けられます。

また、平戸海や一山本、欧勝馬のように部屋の顔となる力士が明確で、しかも彼らだけではないことが特筆すべきところではないかと思います。

ただ、前述の佐渡ケ嶽部屋や荒汐部屋に比べるともっと充実する可能性を持った部屋ではあるんです。

幕下の力数もそれなりに居ますし、その中には関取を目指せる力士もちらほらと見られます。つまり、まだこれからなんです。

いずれも新興部屋というわけではなく、設立からある程度の年月が経過しているというのも一つの特徴です。部屋を開設した初期であれば親方のネームバリューなどから充実してくるというのはよくある話ですが、そうではないんですよね。

ただ、もう少しやれるという印象の部屋も幾つかあるにはあるのも事実です。

後継者の育成が急務・過渡期を迎えている部屋

次は、関取が居て、後継者の育成が急務という部屋です。

追手風や木瀬に関しては関取の数が非常に多いのですが、30代が多く、10年前の大卒力士のスカウティングに成功したことが現在の良い状況を作ったと言えるように思います。

それと比べると後継者と言える20代の力士は居ますが、今の規模を保つには幕下以下の力士を伸ばしていくこととアマチュア力士の入門を促すことが大事です。

ベテラン力士がけん引しているということもあり、これらの部屋も新興部屋ではなくある程度歴史があります。その地力によって今の良い状況は作られてきたところはあると思いますが、幕下以下でプロスペクトと言えるような存在がそれほど多くはないんですよね。

確かに幕下にも居るには居ますが、今後関取として長く部屋を引っ張る存在になり得るかというとそこはまた異なるわけです。

錣山部屋や田子ノ浦部屋のように、少し前は更に多くの関取を擁していた部屋が今の局面を迎えているのは寂しい気もしますが、それだけ多くの部屋に期待の力士が分散していることのしょうめいなのかもしれませんね。

次は、過渡期を迎えている部屋です。

これらの部屋に共通しているのは、既に看板となる力士が最近引退したか、後継となる力士が出てきたということです。

つまり、過渡期ではありますが、次の時代へのバトンタッチについては今のところ問題はないと言える訳です。

先ほどの部屋に関しては底の部分に於いて課題があったのですが、次世代という意味では今のところ一つの回答がある。

阿武松部屋や高砂部屋のように大卒力士や外国出身力士のリクルート次第では案外すんなりバトンタッチが出来ることもありますが、現在の看板となる力士が外国出身という場合もあり、そう簡単には行かないのが実情です。

春日野部屋や伊勢ノ海部屋に関しては後継者が居ますが、地位や相撲を観る限りではまだ伸びしろもあります。逆に言えば少し躓いてしまうと幕下が定位置になり得るとも言える訳で、後継者として一本立ちしていくことが急務でしょう。

結果を残している新興部屋・一人の力士がけん引する部屋

次は既に関取が居る上にその次の力士たちにも期待が寄せられている新興部屋です。

こう見ると確固たる部屋の軸と言える力士が居る事例が多いんですよね。

全てに共通しているのは外国出身者と大卒力士という、いわば即戦力が短期間で形になっているということです。

アマチュアで実績があっても、外国出身であっても結果が残せるかはその力士次第です。

実績との兼ね合いで思った以上に伸びていないと感じる力士も居ますし、最初は順調でも怪我の影響で精彩を欠くという事例も少なからずあります。

ですので、期待の力士が期待通りに結果を残すというのは簡単に見えてそうではないということです。

最後に、看板力士が1人居ますが、他の力士の育成が急務という部屋です。

看板力士と比べると次点となる力士との差が大きく開いており、これからの頑張りが求められる状況です。

次の力士が幕下下位から三段目となると部屋で稽古するにしても実力差がありますので、稽古相手を求めて出げいこに行くことになります。

関取が一人でもその力士の意識と工夫で地位を上げることも可能ですし、実際にそのような力士は過去に何人も居ますが、有望株がこのような部屋を選ぶかと言えば答えに窮してしまうところではあります。

様々な相撲部屋がある中で選択肢の中に入るためには他の力士の頑張りもまた大事と言えるのではないかと思います。

いわゆる「弱小部屋」はあまりない

なお、最高位が幕下以下の部屋については以下の通りです。

これに該当するのは12部屋で、しかも幕下が居るのは7部屋ですから、いわゆる「弱小」のような存在は少ないということが分かります。

入門する力士の数が過去最少を記録したというニュースが出たのが去年のことでしたので、40以上ある相撲部屋が生き残っていくためには有望な力士を確保することが大事です。

入門者は減る一方で秀ノ山部屋のように新規で部屋を立ち上げるという動きは近年多く、更に力士は分散していくことが予想されます。

となると、看板力士と次世代をけん引する力士が多く存在するような部屋は更に減っていくことでしょう。

部屋ごとの勢力図という視点でも定点観測すると今の大相撲が更に深堀出来て面白いですよ。来年以降どなたかやってみませんか?

・・・

ちょっと面倒だったんですよ。

相撲レファレンスが動いていなかったので。

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