遠藤や大砂嵐達に牙を剥く、大相撲の刺客達。今改めて、幕内中位~下位の凄さを考える。
ここ2年で出てきた、エリート力士。
常幸龍。
千代大龍。
大砂嵐。
そして、遠藤。
彼らは凄い勢いで番付を駆け上がり、
我々に鮮烈な印象を残した。
だが、彼らはかつての輪島や武双山、雅山のような
道を渡ってきたわけではない。
覚えている人は覚えているかもしれないが、
一つの共通点が有る。
そう。
初めて負け越した地位が、非常に似通っているのである。
千代大龍に関しては皆勤場所での負け越しと置き換えて
考えてほしい。
つまり何が言いたいかというと、
力士として壁に直面する地位が、大体同じなのである。
◇図1:最近の有望力士の、皆勤初負け越し地位比較
常幸龍:東前14(平成24年11月)
千代大龍:東前12(平成24年9月)
大砂嵐:西前15(平成25年11月)
遠藤:西前7(平成25年11月)
※大喜鵬:西十1(平成25年1月)
見事に皆、幕内中位~下位なのだ。
地位に多少の誤差は有るが、これくらいの地位だと
対戦する相手はそう変わりない。
この事実に対して何を思うか。
恐らくこの地位で躓くことに対して
物足りなさを覚えるという方が大半ではないかと思う。
もっと大きく育ってほしいという思いも有るし、
アマチュア時代の実績を考えれば
この程度で満足してもらっては困ると感じる方も居るだろう。
これは何度か言及したことでもあるのだが、
本当の実力以上に期待してしまうことは、
罪作りなことでもあると思う。
勿論期待されるというのは名誉なことではあるのだが…
だが少し目線を変えてみる。
一昔はアマチュアエリートに蹂躙されてきた大相撲が、
今では幕内中位から下位でも彼らと対等にやり合えるのだ。
考えてみると、先日語ったことではあるのだが
外国人力士も淘汰が始まっている。
この地位にも多くの外国人が存在しているし、
そして活きのいい若手も居る。
180キロ級の巨体で相手に攻めを許さない、天鎧鵬。
回転の速い突き押し相撲の、富士東。
モンゴルらしいモンゴル相撲を取る、玉鷲。
彼ら同士の対戦は何気なく見てしまうのだが、
これが番付を駆け上がってきたエリート力士が相手となると
様相が異なる。
どうしてもエリート力士目線で取組を見てしまうのだが、
そのエリート達が相撲を取らせてもらえない。
速さも、技術も、体格も。
幕内中位から下位の力士の持つ最大の武器は、
エリートのそれを上回る。
大砂嵐や遠藤と対戦することによって
我々が普段目にしてきた普通が、どれだけ凄いものかが分かる。
その最たるシーンが、今年蒼国来が復帰したあの場所だった。
彼らがどれだけ圧倒的な相撲を取る力士なのか、
本調子ではなかった蒼国来を比較対象とすることによって
我々は知ることになった。
上位総当たりの力士が持つ、究極の強さとは異なる。
十両力士の持つ、粗削りな面白さとも異なる。
確かな力士が確かな相撲を取る世界。
それがこの地位の持つ魅力なのではないかと私は思う。
◇特報◇
先日、Search_net_boxさんとUstream配信しました。
その時の様子を録画しておりますので、ご覧下さい。
テーマは、「最強の大関は誰か?」
パワーポイント52枚の資料について論じています。
http://www.ustream.tv/recorded/41623628
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