そうだ、朝稽古、行こう。 ~場所中の朝稽古で栃煌山が与えた衝撃~
明日、もとい今日から大阪場所が始まる。
本場所に足を運ぶ方に、一つ覚えてほしいことが有るのだが、
もし時間が許すのであれば、是非朝稽古を観てほしい。
勿論部屋ごとの事情も有るので事前に調べて頂きたい。
一つ断っておくと、場所中の稽古は基本的には調整なので
それほど激しい内容ではない。
激しい稽古は場所前に行われるものである。
そのため、アスリート的能力の凄さはその際に確認していただきたい。
また、稽古と言えば最近では動画配信も行われている。
入口には凄く良いことだと思うのだが、
そこで終わりにするのは非常に勿体ないことだと思う。
何故ここまで私は場所中の稽古を推すのか。
それには理由が有る。
先場所の14日目。
自由席のチケットを手に入れた私は、ブログの読者の方から
お誘いいただき、春日野部屋の朝稽古を観ることになった。
圧倒的な体躯と、誠実な相撲の栃乃若。
再起を懸ける栃ノ心。
そして、力士として最後の稽古となった木村山。
これだけでも十分、見ごたえのある内容だった。
さすがは名門である。
激しいと噂の稽古と、それと相反する和やかな空気。
北の湖部屋の人生=相撲や、尾車部屋の部活的ファミリー感とも
異なる風土にも驚いたのだが、戦慄を覚える光景が有った。
そう。
栃煌山である。
一言で表現すると、ヤバい。
これは言語化するのが非常に難しい部分で、
説明を試みると陳腐なことしか言えないことが
非常にもどかしい。
ただ、取り立てて申し合いをこなしている訳でもなく、
誰かを激しく鍛えている訳でもなく、
特に何か凄いことをしている訳でもないのに、
視線が栃煌山に向くのは、決して偶然ではない。
すり足をする。
スクワットをする。
テッポウをする。
軽く身体を動かしているだけなのに、他の力士とは明確に違う。
明確な意思が有り、それは彼の円周上には緊張感を生み出し、
威圧感という形で観衆に訴えかける。
そして、周囲の力士も親方も、彼に対して声を掛けるわけではないのだが
互いに話し掛けないことからもたらされる信頼関係とリスペクト、畏怖。
つまり、栃煌山の持つ独特の雰囲気に対して、
私はヤバいと感じたわけである。
栃煌山は体格で他の力士に勝っている訳ではない。
そして、アスリート的能力で圧倒するわけではない。
そういう意味では栃乃若や栃ノ心の方が断然恵まれている。
だが、相撲が強いのは栃煌山なのだ。
更に言えば、この只ならぬヤバさを身に纏っているのは
春日野部屋では栃煌山だけなのである。
雰囲気の有る人について「オーラが有る」と評することが有る。
その源泉は、成功から身に付けた余裕であり、
自分や他人に対する厳しさだ。
これは、本場所の土俵では観られない。
そして、映像を通じては伝わらない。
今までそれほど興味を持っていなかった栃煌山に対して
私は大きな驚きと発見を見出した。
人の数だけ、感じることは有る。
現場で力士の一挙手一投足に目を向けてほしい。
叩けば響くのが、力士である。
◇お知らせ◇
02/12にUstream配信を行いました。
その時の録画映像です。
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◇お知らせ2◇
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