鶴竜の横綱昇進はゴールではない。キラー白鵬との闘いという、茨の道の始まりである。

鶴竜が初優勝。
そして横綱昇進を決定的なものとした。
紆余曲折を経て、プレッシャーが掛かる中
素晴らしい相撲をこの2場所取り続け、
最高の結果を出したことは本当に凄いことだと思う。
そして、彼はワンチャンスをモノにした。
輝かしい未来を見る方も居るだろうが、
これはこれから先の苦難の道の始まりだ。
まず、これから先は10勝でも許されない。
11勝でもものたりないと言われるのが横綱だ。
鶴竜は、過去の2場所と大関昇進時を除けば
殆ど2桁勝利の無い力士である。
つまり何が言いたいか。
鶴竜は勢いで優勝争いに絡めても、
普通の状態だとかなり不安が残る力士なのだ。


最近私の周りでよく言われる言葉として、
「昇進する適性と、地位を維持する適性は異なる」
というものがある。
安定して9勝出来る豪栄道は、大関を維持する力はある。
普通に戦えば11勝が計算出来る稀勢の里は、横綱を維持する力はある。
しかし彼らは、昇進に必要な爆発力に欠けている。
逆に鶴竜は、高いレベルの安定感が無い。
そして、鶴竜は歴代5位の高齢昇進である。
高齢昇進力士は短命というのはジンクスではない。
怪我をしやすく、そして安定感を失いやすいのが
高齢力士の特徴だ。
琴桜や三重ノ海、旭富士は高齢昇進横綱であり、
同時に短命横綱でもある。
私は決してだからダメだと言いたい訳ではなく、
乗り越えなければならない障壁が、
今の鶴竜には非常に多く、
このあと少し前の日馬富士さながらの
批判を受けることが怖いのである。
そして、白鵬が居る。
それも、勝ちに拘る白鵬が。
鶴竜はまだ究極の白鵬には勝っていない。
だが、来場所以降は鶴竜を叩き潰しに掛かることだろう。
白鵬を破らない限り、優勝は無い。
そして、優勝出来ない横綱に対する風当たりは強いことだろう。
鶴竜は、本当は昇進しなかった方が良かったのかもしれない。
結果が出せない時、そう言われることだろう。
だからこそ、これからが勝負なのである。
想像以上に厳しい未来だが、誰にでも出来ることではない。
今後の鶴竜が楽しみであり、怖い。
それが率直な感想である。
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鶴竜の横綱昇進はゴールではない。キラー白鵬との闘いという、茨の道の始まりである。” に対して2件のコメントがあります。

  1. 福の神 より:

    おっしゃるとおり、2場所連続14勝は非常に立派で横綱に昇進する成績だと思いますが、データ面からみると不安が大きいですよね。
    ここ2場所の大勝ちを入れても、大関時代の勝率が0.661(1場所平均9.9勝)ですか。
    引退直前の力が衰えた時期を加えない状態でこの数字だと、大丈夫かなと思ってしまいます。
    直近1年だと0.733(一場所平均10.9勝)ということで、まあ標準的なラインであるようですが。
    大関昇進の直前2場所と横綱昇進の直前2場所以外は、白鵬に全く勝っていないというのもありますしね。

  2. リウ より:

    キラー白鵬と書かれていますが、先場所の二番も今場所も(どれくらい前から選択していないかはyoutubeの例の人が削除されたので調べていません)鶴竜戦では張り差しもかちあげも選択していません。
    もちろん横綱にしかなぜそう選択したのかわかりませんが、そうした方が勝てる(実際は二度負けました)と思ったのでは、と想像しています。
    稀勢の里戦はここ最近立ち合いが合わないことが見苦しいですが、確かにお互い意識するところがあるのかな、と見ています。
    星回しを勘ぐるメッセージが多くてとても悲しいですが、日馬富士だって横綱を不安視されながらも立派に勤めています。鶴竜関にも吹き飛ばす活躍を期待したいと思います。
    最後に嘉風関の奮起がとても素晴らしかったです。
    動画では年齢で区切られてしまったわけですが、もう一風吹かせて欲しいものです。
    P.S.大阪の自由席のおばちゃんは私もいらいらしました。

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