【読者参加企画】若年層を相撲ファンにするために、今すべきことは何か。

チケットは数時間で売り切れ。
大阪場所千秋楽の瞬間最大視聴率は33%。
大相撲人気、ここに極まれり、である。
そろそろ9月場所のチケットが発売されるが、初めてインターネットで購入を検討されている方は、気をつけたほうがいい。というのも、チケット購入サイトにアクセスが集中するので、購入画面にさえ中々アクセスできないのだ。
購入画面にアクセスできたら、次は購入処理が完了することを祈ることになる。長い待機時間の末に、エラー画面が表示される。購入画面に到達し、ドキドキしながら購入完了を待っていたのに、この仕打ちを受ける。これは心が折れる。おそらく私は仲間が3人居なければ、当日券のパワープレイでいいやと諦めてしまったことだろう。
インターネットに振り回されながら、気がつくと心は振り回されなくなる。購入失敗とアクセス不可を繰り返しながら、そういうものだという諦めが生まれる。1時間もすると敵が少なくなるのか、だんだんと購入画面に移動する機会が増えてくる。ようやく購入できた時には、良い席は売れてしまっている。
だが、それでもこの苦労を経て購入に辿り着くと、喜びもひとしおだ。9月場所のチケット購入を考えている方は、一つ覚えておいてほしい。実は「チケット大相撲」以外にもローソンチケットなど、購入可能なサイトは別にも存在しているのである。
恐らくアクセスが集中するせいか、チケット大相撲での購入とローソンチケットでの購入を同時進行で行ったところ、購入画面に遷移する機会ははるかにローソンチケットのほうが多かった。あくまでも経験則だが、複数のサイトを同時に利用するのが一つの手段である。
さて、こういったエピソードを経験すると大相撲人気の凄さを現場レベルで実感することになるわけだが、どうにもわからないことがある。
そう。
この相撲人気は誰が支えているのか、ということである。
現場に出れば、コアな相撲ファンが居ることなどすぐ分かる。だが、実生活の中ではどうだろうか。職場で野球ファンは少なからず居るだろう。サッカーの代表戦の当日と翌日は、一度はその話題が出るだろう。
考えてほしい。
大相撲は、どうだろうか。
相撲ファンの横の繋がり以外で、誰かと相撲の話をすることは有るだろうか。私の場合は相撲クレイジー過ぎるので、逆に相撲の話を振られるケースが多いのだが、そこまでオープンにしていない方は果たしてどうだろう。
当ブログの観戦会やトークライブに来る方の多くは、横の繋がりを持たないと聞いている。普段は一人で見ているからこそ、誰とも相撲を共有できないからこそ、同志を求めて36歳のおじさんのイベントに足を運ぶことになるのだ。
だが、そういうコアなファンはハッキリ言って特殊だ。視聴率33%の大半は、そこまで積極的に行動することはない。あくまでも、17時くらいから何も無ければなんとなくテレビのチャンネルをNHKに合わせて、なんとなく相撲を見る。そんな程度だ。
そんな程度の相撲ファンの生態が、まるで分からないのである。
コアなファンを作ることはもちろん重要だ。彼らが主体的に行動することによって、経済活動が生まれる。彼らを作ることこそ重要なのである。
しかし、コアなファンも元はビギナーだ。なんとなく見ているレベルから、相撲の面白さに触れて、コア化することになる。ライトなファンを数多く作りながら、コアファンに転換させるための施策が必要になる。
私はコアなファンと会い過ぎているために、ある意味本当の相撲人気を支えているライト層のことを殆ど知らない。白鵬の取り口についてどう考えているのか、誰が人気なのか、何を思い、何を求めて相撲を見ているのかがまるで分からないのである。
彼らは一体、どこに居るのだろうか。
私には、2つだけ分かっていることがある。
まず一つ目は、興味の対象となる力士は限られているということだ。
当ブログのアクセス数を分析すると、実に簡単な傾向が見られている。白鵬と稀勢の里の記事を書けば、普段よりもアクセスが伸びるのである。
また最近であれば宇良、少し前までは遠藤、優勝争いをしていれば琴奨菊や豪栄道、報道の注目度に合わせて旬なトピックを選ぶとライト層がアクセスするようなのである。
スポーツナビブログである性格上、多くの方の目に留まるような構造になっているわけで、つまりアクセス数が多いということはそれだけ多くのライト層が目にしているということを意味している。
彼らはやはり、立ち入った記事というよりは旬なトピックや力士に興味があることは間違いない。ちなみにどういうわけか、優勝しても日馬富士と鶴竜の記事については伸び悩む傾向にあることも付け加えておく。
そして、彼らの年代についても明確な傾向があるのである。
Facebookを利用していると、当ブログをフォローしている方の年齢を確認することが出来るのだが、2500人あまり居るフォロワーの9割程度は35歳から55歳というレンジなのだ。なお、35歳から45歳、45歳から55歳の割合を比較すると、そう大差は無いのである。
SNSを使っている年齢層を考えれば、45歳以上がとても強いことがお分かりいただけると思う。さすがに55歳以上はあまりSNSを利用していないのだから、それ以上の方の明確な傾向は分からない。
この事実から一つだけハッキリ言えることは、35歳以下の相撲ファンはとにかく少ないということである。相撲人気とは言うが、その実態はつまり、中高年のライト層が戻ってきたということではないだろうか。
旬な話題に興味のある、35歳以上を取り込み続ける試みはこれからも必要になることだと思う。ただ、それ以下の若年層を掴まないことには、10年後の大相撲は更に高齢化することになるだろう。
若年層が取り込めないのは何も相撲に限った話ではない。Jリーグも同じ悩みを抱えているし、大半のスポーツが彼らを取り込もうと躍起になりながら、結局その試みは実を結んでいないのが実情だ。
マス席に居るような年齢層のファンが引退した時、国技館にファンは残っているのだろうか。椅子席のファン達はマス席にやってくるのだろうか。そして空いた椅子席に、若者はやってくるのだろうか。
人気は回復した。
力士人気ではない、誇るべき大相撲人気だ。
一度離れたファンを戻し、新規ファンも獲得できた。だが、ここからが大変なのだ。人気隆盛の今だからこそ、10年後の大相撲を考えた施策が必要になる。
皆さんはどうお考えだろうか。
久々の読者参加企画として、問いかけたい。
大相撲人気維持と、若年層の新規獲得のために一体何をすべきか。
人気回復する前に、以前この質問をしたことはあるが、もう一度考えてみたい。コメント欄でも、Facebookでも、恥ずかしければメールでもツイッターのダイレクトメッセージでも構わないので、ご意見いただきたい。
後日取りまとめて、2017年の回答として発表してみようと思う。期限は8月2日としよう。
お気軽に回答いただければ幸いである。
◇Facebookサイト◇
幕下相撲の知られざる世界のFacebookページはこちら。
◇Instagram◇
幕下相撲の知られざる世界のInstagramページはこちら。

【読者参加企画】若年層を相撲ファンにするために、今すべきことは何か。” に対して9件のコメントがあります。

  1. 相模ふぁん より:

     夕方って 小中学生は習い事部活などで見れないでしょ。
    放送時間を考えなさい。

  2. やきにく より:

    一応高校生ですが、コアとも言う相撲ファンです。
    夕方3時-6時は、部活があったり塾があったりして、結局録画して見ています。
    周囲は知っている力士は白鵬と稀勢の里、あとは長野県人なので御嶽海くらいで、
    「裸のデブがちょんまげで抱き合っている」競技と思っている人が多いと思います。
    相撲人気維持のためには、やはり何かのきっかけを定期的に出す必要があります。
    それは遠藤の出世の速さとイケメンであり、稀勢の里の逆転優勝であり、千代丸の寝顔であり。
    興味がない人が興味を持つきっかけは、やはりマスコミの力が大きいでしょう。
    しかしマスコミは、常に興味を持ってくれません。
    騒ぐときは騒ぐが、ブームが去ったらおしまいです。
    そのために大切なのが、「きっかけ」だと思います。
    もうひとつが転売目的での購入対策です。
    「相撲 チケット」で検索すると、大量の転売チケットが出てきます。
    本来欲しい人に手に入らないのが現状です。
    しかし、それ以上に問題なのが、わりと席が空いていることです。
    恐らく、転売であまったのでしょう。
    そんな席の対策を、協会に望みます。

  3. 慇懃BRAVER より:

    悪い意味での”格式”の枠を取り払うか拡げるか。
    横綱は立ち合いの変化に批判が上がるが他の力士がやってる戦略のひとつに過ぎないものを横綱だからと批判されるのはどうかと思う。
    相手を受けて押し出す、寄り切るだけの光景は若年層から見ると正直、面白味に欠ける。
    宇良関のような何をしてくれるのかという期待を持たせてくれるような力士、さらに言えばテクニカルな横綱がいても良いのではないかと思う。
    嫌味な言い方をすれば横綱になった途端、今までの自分のスタイルを捻じ曲げて”横綱を演じなければ”ならない。本来の自分とはかけ離れたスタイルで相撲をとる事は結構な負担ではないかと、突き詰めて言えば無理にそれをすることによって怪我をする可能性もあるかもしれない。
    角界の考えなどはあるとは思うが『見ていて楽しめる』力士が必要、それが横綱ならなおのこと。
    まぁ、これは若年層に的を絞った論ではあるが。

  4. mekusohanakuso より:

    まずはとにかく『見る機会を増やす』ところからだと思います。
    昨今若い世代が取組時間帯に家でテレビを見ている事はあまりないのが現状です。
    ダイジェストも午前3時40分~等若い世代が見られる時間ではありません。
    興味の薄いものをわざわざ録画までする層はほとんどいないでしょうから、もっと若い世代が見られる時間にダイジェスト等を放送すべきです。
    せっかくサブチャンネルがあるわけですし放送できないという言う事はないと思います。
    ネットで見るにしても相撲はほぼほぼ有料でライト層はわざわざお金を払ってまで見ようとは思いません。もう少し若者に見てもらえるような工夫が必要ではないでしょうか。
    当然見た人10人が10人相撲に興味を持つとは思いませんが、それで1人でも2人でも増えるならば十分に成果はあったと考えます。
    そして、放送にしても現状の実況や解説が、用語等を知っていて当たり前のような放送になっており、初心者向には敷居が高いと言う問題もあります。
    ほとんど相撲を見ない層は上手と下手の区別すらつきませんし、おっつけと言われてもわかりませんし、
    変化で勝った力士がなぜ厳しく言われるのかもライト層にとっては謎です。
    せっかく副音声やサブチャンネルがあるのですから、もっと初心者専用の実況解説放送などをしたり、
    相撲の用語や技の解説番組等をしたりして、新しい層を迎え入れていく準備が必要ではないでしょうか?

  5. baribari より:

    ここ最近の横綱、大関の酷過ぎる批判をやめること
    特に横綱の品格というフワッとしたものにより、一番強く成績も残しているはずの横綱が非難される
    これは若い人には一番理解されない部分でしょう
    正直、若貴時代から見ているものとしても、今の横綱大関批判は納得がいかないものが多い
    かの魁皇関だって一年間ハチナナを続けている
    しかし魁皇関に対し早く関脇に落ちろというような酷いバッシングを見たことがないし
    私自身そんなこと思ったこともない
    むしろ勝ち星からは判断できない、何かやってくれる期待感の方が大きかった
    確かに大相撲は神事であり、伝統でもあるが、同時に興行でもある
    横綱が多彩な技を見せて観客が盛り上がってくれるのであればそれが一番ではないだろうか?

  6. btg2424 より:

    20代です
    コアな相撲ファンが出来るにはある程度小さいうちから見てないと厳しそう。あと18時前に終わってしまうのが致命的なんですよね。自分は小中まで相撲ファンで高大は離れてて早い時間の仕事で夕方あくので相撲ファンにもどりましたけど。
    相撲ってダイジェストで見ると糞つまんないって思いませんか?

  7. ゆるふわ より:

    幕下相撲さんは否定的なようだけど、私なんかはバチバチを読んで相撲を見るようになったんでね。
    そこらへんフィクションの力というのも少しは活用してみたらいいんじゃないですかね?
    あとは、他のスポーツとのコラボとかをどうにかね。
    今回なんかは場所前に、あのブレイディが来日して境川部屋とか行ってたのに、ぜんぜん盛り上がらなかったでしょ?
    そういうところはどうにかした方がいいと思うのですよ。

  8. hend0014 より:

    視点漏れがあると思います。そもそも若年層はブログを読みません。ブログのフォロワーが35歳から55歳が主というのは、このブログに限ったことではないと思います。若年層はなるべく文字を読みたくないそうです。
    写真を撮ってください。動画を上げてください。
    インスタグラムをやれば若い女性が見るし、ユーチューバーになれば小学生が興味を持つと思います。
    ブログはライトなファン層からは遠いところにあります。若年層に言わせればTwitterも過去の遺物だそうです。

  9. ザンジバル島 より:

    私は20代で、物心ついた頃から、大相撲フリークですが(今は亡き時天空が序ノ口からの連勝が22で止まった古市戦はテレビ中継見てましたし、未来の曙-貴乃花になると思った幕下での初対戦だった琴欧州vs萩原は、生で国技館で見ました)、
    何よりも相撲自体の裾野を広げる事が必須だと思います。
    生まれてこのかた、周りで相撲経験者というのは、直接の知り合いはおろか、人づてにすら聞いたことがありません。
    10年日本出身の幕内優勝者が出なかった、20年近く日本出身の横綱が出なかった最大の要因の一つは、そもそも相撲の競技者のパイが小さすぎることにあります。
    例えば、サッカーで、日本人でそれなりに欧州の一流リーグでプレーする選手が出てきたのは、それを支える何百万人というサッカー少年のリソースがあるからです。
    世界的にはマイナースポーツですが、野球にも同じ事が言えます。
    そもそも、多くの日本人にとって、相撲は歌舞伎のような伝統芸能であって見るものであっても、自分がやるスポーツではない。
    この点を改善しないと、抜本的な改善はいつまでも起こりえないと思います。
    相撲協会が財団法人として、取り組むべきは土俵の寄付やOBを指導員として、全国に派遣することでしょう。
    そもそも相撲をやる人がいないのに、強い力士が出るはずがありません。
    身近なスポーツとしての地位を高めれば、相撲人気は、たまたまブームで過渡的に注目されるものではなく、もっと骨太な地盤を持つコンテンツになるはずです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)