横野レイコらをサンドバッグとして起用するテレビ局こそ、一番の悪である。
年が明けて、初場所が迫ってきている。
だが、ニュースで報じられるのは今もなお騒動のことだ。
そして、相撲の識者として登場するのは、いつも同じ顔ぶれだ。
横野レイコも杉山邦博も、大相撲の理屈で話を進める。ブレないという表現をすれば聞こえがいいが、ニュースでもネットでも擁護のしようが無いほど彼らは批判を受けている。彼らはいつも事実に基づいた憶測を前提に話を進める。そしてその憶測をあたかも事実のように仕立てていく。
意見を言うのは彼らの勝手だ。ズレていれば世間が勝手に袋叩きにするのがネット社会と言うものだ。筋道が通っていなくても、一つ失言をしても、感情的にいけ好かない人間に対して彼らはとにかく厳しい。
感情的にいけ好かない人間を叩く理由を彼らは求めている。多くの人間が人の数だけ分析しているのだから、否定する論理的な理由がどうしても出てきてしまう。その理由はSNSで大規模に拡散され、共感を集めた結果、横野レイコを始めとする識者達は大変厳しい立場に置かれている。
私はテレビに登場する相撲識者達に憤りを覚えていた。そして、彼らに出来るだけ早く退場してほしいと願っていた。このような意見が普通だと思われたくないし、彼らの意見がこの問題を良い方向に進めていく上で全く役に立たないと感じたからだ。
少し話は逸れるが、この騒動について建設的なことを意見しているコメンテーターは殆ど居ない。そもそも問題を正しく捉えられていない、相撲識者を始めとする三流のコメンテーターがあまりにも多すぎる。
そして、視聴者の気持ちを理解しているものの、「被害者が加害者よりも処分が重いのはおかしい」などという感情論でしか話を進められない二流のコメンテーターも多い。そういう感情論ではなく、加害者側の処分を求めるべく理屈で説明することこそ、一流のコメンテーターには求められていると私は思う。それが出来ているのは、八代弁護士ただ一人だ。
相撲界の理屈しか主張できない識者達は、袋叩きに遭いながら、それでも彼らの理屈を主張する。そしてまた袋叩きに遭う。
私は一つ疑問に感じている。
何故メディアはそういう識者を起用し続けるのか。
彼らの意見も、事実と憶測を織り交ぜたロジックも、全ておかしいことは誰の目にも明らかだ。彼らを出せばいつも同じ主張になり、同じように叩かれるだけだ。
大事なのは、彼らを叩くことなのだろうか。主張がおかしい者を起用し続けることなのだろうか。私は、違うと思う。
問題は、これから相撲界がどこに向かうか。それを議論し、方向づけることだ。そのために識者を袋叩きにし続けることは必要なプロセスとはとても思えないのである。
横野レイコを見て、相変わらずの主張を目の当たりにして、怒る。これではまるで当たり屋ではないか。事故を起こすと分かっている者をテレビで起用して、事故を起こされて、感情を害する。彼らを起用する限り、視聴者の相撲に対する怒りはいつでも増幅できる。
相撲識者達は、彼らの立場を主張する。そんなことは分かりきったことだ。そういう主張をすると分かっていて、テレビ局は彼らを起用する。つまり、識者達はテレビ局の筋書き通りに自分たちの立場を主張し、叩かれているのである。識者達は、テレビ局によってサンドバッグとしてキャスティングされているということだ。
同情は全くしない。彼らの本当の主張は分からないが、分かっていてテレビに出ているのだから、それは彼らの責任だ。相撲を食い扶持にしている以上、そうせざるを得ないのかもしれないが、ジャーナリストとしての気概よりも食い扶持を選ぶ者を支持する気は全く無い。
ただ、テレビは非常に罪深いことをしていると思う。相撲の今後が重要ではなく、単に世間の関心ごとだからこそそういうキャスティングをし、射幸心を煽っているのだから。一番の悪は、テレビ局だと私は思う。
自由な立場で相撲を論じ、自由に批判できる私は、彼らからすると羨ましい立場なのかもしれない。しかし、こういう立場だからこそ業界の内部には入り込めない。どちらがいいかはわからない。
少なくとも私だけは、支持されている理由を理解し、言いたいことを言い続けたい。
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初めてコメントさせていただきます
マスコミにとって大切なことが事実を伝えることよりも金を稼ぐことになってしまっているからこういうことになっているんですよね
彼らも慈善事業じゃないですから金稼ぎするなとは言いません
でも優先順位として事実を正しく伝えるということが二の次三の次はたまた千の次万の次ぐらいになっているように見えます
事実を正しく伝えようとする気のない輩に果たして相撲協会を叩く資格があるのか?
相撲協会の擁護をする気はさらさらないですけど腐りきったマスコミ連中にはとやかく言う資格がないと思っています
>>志らく、評議員会批判に「お前こそズレている!」と反論受け「世間が異常」と指摘
>>https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180105-00000537-sanspo-ent
>>志らくは「評議員会はズレている!と言ったら志らく、お前こそズレている!と言われた」ことを明かし「その通り!私は世間からズレているからコメンテーターとして重宝がられる。落語家がまともでどうする」と持論を展開した。
ワイドショーはサンドバッグ役、ズレた主張をする役、世間知らずのバカ二世(例は挙げないが)等を配置して構成されている(俺はこの役を振られたからやっているんだ、というコメンテーターは失格だと思うが)。
そして、結論は絶対に出さない。基本的には「To be continued」だ。もし別に大きな事件が起きれば「放送内容を変更してお送りしました」のテロップを出して終了だ。
一茂www
八代さんもまた偏り過ぎだと思います。
ネット=一般的な意見とする考え方が蔓延る風潮がありますが、個人的にはかなり危険な考え方だと思っています。
【コメンテーター】
テレビに於けるコメンテーターには、二種類在ると思います。
一つ目は、事件の背景を説明する解説員の様なコメンテーターです。
二つ目は、テレビ視聴者の気持ちに副った発言をする代弁者の様なコメンテーターです。
ですから、『視聴者の気持ちを理解しているものの、「被害者が加害者よりも処分が
重いのはおかしい」などという感情論でしか話を進められない二流のコメンテーター』
は、解説員としてのコメンテーターとしては二流でも、視聴者の感情の代弁者としての
コメンテーターとしては一流ではないでしょうか。
感情って、案外大切なものですよ。
乱暴な相撲は、見終わった時に、心の奥底に苦いものが残ります。
この嫌な気持ちを無理矢理「気にするな!」とは出来ません。
この感情を殺したら、日本人として、大切なものを失う様な気がします。
> 少し話は逸れるが、この騒動について建設的なことを
> 意見しているコメンテーターは殆ど居ない。
この点で、田中ウルヴェ京さんは一味違いましたね。田中氏は、貴乃花理事の解任を発議した先月末の理事会の際に、TBSのスタジオでコメンテーターとして生出演して板ウチのひとりです。
今回の理事会決議の意図は本来ならテレビ局の解説委員(という役職はNHKにしかないのかな?)が読み解いて説明しなきゃいけないんですが、あの場面では田中氏が読み解いていました。
具体的には、八角理事長の記者会見映像が放送されるよりも前にいち早く、「被害者としての貴乃花の不利益、つまり、自分の弟子(当事者の貴ノ岩を含む)を指導できなくなる事態には追い込まない。しかし、貴乃花には理事・巡業部長という側面もあるので、そちらの立場で問題を複雑化・長期化させた責任はきちんと取らせる。そういう意図ではないか。」と断言していました。
さすが、分野が違うとはいえ海外の大学院でアカデミズムの世界をきちんと経験してきた人は一味違うな、と感じました。
☆ ☆ ☆
> 自由な立場で相撲を論じ、自由に批判できる私は、
> 彼らからすると羨ましい立場なのかもしれない。
> しかし、こういう立場だからこそ業界の内部には
> 入り込めない。どちらがいいかはわからない。
>
> 少なくとも私だけは、支持されている理由を理解し、
> 言いたいことを言い続けたい。
この点ですが、「どちらも世間からは求められている」のだと思います。ところが、世間では「彼ら」のようなタイプの人の声しかほとんど響きません。なのでぜひ西尾さんには、「こういう立場」からの物言いを続けていただきたいと思います。
ちなみにそういう意味では、NHKはちょっと民放とは一線を画していた感があります。年末の「大相撲この一年」では、毎年常連のやくみつるやデーモン閣下あたりは呼ばれていませんでした。で、今回の騒動については刈屋解説委員が簡潔に総括しました。その刈屋氏でも、NHK上層部の意向次第では正論が言えなくなる場面があるかもしれません。その意味でも、西尾さんがスポナビ縮小を機に無料ブログを打ち切らなかったことの意義は大きいと考えます。
誤)板ウチの
正)いたうちの