鶴竜は、白鵬と勝負するスタートラインに立った。白鵬は、遂に鶴竜を潰しに来た。怖い白鵬は、やはり強かった。
先ほどの取組を観ていただろうか。
鶴竜は、今場所取り続けてきた当たり前の相撲を取り切った。
白鵬は、ここ一番で張り手を出して、隙を与えてしまった。
鶴竜の普段通りの相撲が、白鵬の隙を突く形となり、
鶴竜が勝利した。
鶴竜はこの一世一代の大一番に呑まれなかった。
白鵬に勝った、というより自分に勝った一番だった。
白鵬に敗れる力士の多くは、普段着の相撲を取れない。
つまり、鶴竜は勝つためのスタートラインに立てたのである。
だが、決定戦の白鵬を覚えているだろうか?
白鵬は、汗を拭かずに出てきたのだ。
これでは、鶴竜は白鵬を捕まえられない。
そう。
キラー白鵬が、鶴竜を潰しに来たのだ。
時間前に、腰を下ろさない白鵬。
今の白鵬は、本割の時とは明らかに違う。
この時点で、勝負有った。
過去に27回優勝している大横綱の凄味を見た。
そして、更に1回の優勝を積み重ねた。
このような力士を、一体誰が止められるというのか。
凄いものを見せつけられた、優勝決定戦だった。
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同じように感じました。
その強さを笠に着ることなく、協会を敵に回さない優等生横綱としての顔。
意固地な相撲道や馬鹿正直に受ける横綱相撲にこだわることなく、挑戦者をねじ伏せにかかる勝ちに貪欲なアスリートとしての顔。
実力もさることながら、清濁静動併せ持つ、完成度の高い力士だと思います。
その二面性を駆使してどこまで登って行くのでしょうか。
優勝は慣れられるもの、という観念がそもそも凄いです。
優勝決定戦で飲まれない、むしろ相手を飲む。
恐ろしいことです。